本来はメイン州のアーカディア国立公園への旅だったが、地図を見ていたらもっと北上したくなり、結果その上のカナダにある沿海州(the Maritime Provinces)へ行くことに決まった。沿海州とはカナダの最東部の州であるニューブランズウィック州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州の総称であり、ボストンからは近いところでは約6時間、遠いところでは13時間という遠いが行けないことはないギリギリの地である。
最後の最後で息子の野球の試合が入ったため、1日減って8泊が7泊になってしまったが、この期間に3州を回り3,500キロも走ってきた。日本人だからできる(旦那はアメリカ人だが)走り旅をしてきた。
Nova Scotia
今回のハイライトはなんといってもノバスコシア州に属するケープブレトン島にある300キロのキャボットトレールである。トレールとはいうもの綺麗に舗装した道なので(というかハイウェー)、ドライブしながら景色が楽しめる。途中時間があれば、ビーチで寝そべったり、ハイキングコースを歩いたり、クジラ見学船に乗ったりと自然を堪能できるオプションがいっぱいあるので、少し時間に余裕があると良いだろう。トレール上のほとんどの見所は州立公園となり、ホテルなどの宿泊施設は限られているので、できればキャンプをしてその偉大さを肌で実感したいものだ。
Prince Edward Island
車の中で9時間の「赤毛のアン」のオーディオブックを聞きながら行ったせいか、アンのグリーンゲーブルスがあるプリンスエドワード島は息子たちも多少興奮していたようだ。この世界的に有名なグリーンゲーブルスに立ち寄ること、もちろんオススメだが、本当の良さは観光地を見て回るというより島全体の美しさにあると思う。だから気の向くままにドライブして回ることをオススメする。観光案内所でもらえる地図にドライブコースがたくさん載っているので、1つか2つ選んでドライブすると、この島の美しさが見えてくる。東側の海岸の砂が赤くとてもサラサラしていたことが印象的である。
New Brunswick
ボストンから一番近い国境を越えてすぐの州。見所としてFundy National Parkという海岸線を走るドライブ、そして干潮時の時に見るホープウェルロックスなどがある。海岸沿いにも可愛らしい町がたくさんあって、アウトドアが好きなら他の州に行かずここだけでも十分満喫できると思う。ボストンから近いという点でポイントが高い州である。
旅行記
Jul 31, 2016 (S)
1:30 pm 息子の野球が終わるのを待ち、ボストンを出発。
10:00 pm 途中で持参したお弁当を食べたり、湖の近くで休んだりっとのんびりとした道中。ニューブランズウィック州のSaint John のモーテルで一泊する。
Aug 1, 2016 (M)
10:00 am 疲れてなかなか体が動かず、やっとのことで起床。作って持ってきたバナナブレッドと桃の簡単な朝食を済ませ、近くのカフェでコーヒーをゲット。ムースのロゴが可愛い地元では流行りのカフェらしく、コーヒーはおいしかった。
今日はここから車で45分程行ったところから始まるファンディ湾国立公園Fundy National Parkをドライブ。その絶景は素晴らしく、途中途中にある見晴台でそれをゆっくり眺めることができる。時間があれば、途中にハイキングコースがたくさんあるので、歩いてみるとさらに自然を満喫できると思う。私たちも急ぐ旅とはいうものの、途中のビーチで遊んだり、ビジターセンターから吊り橋を渡ったところにある透き通るような川で水遊びをした。
あまり観光とは関係ないが、面白い事実を1つ。このあたりはアイリッシュモスという海藻がよく採れ、乾燥させてスナックとして食べている。これをDulseと言い普通のスーパーでも買えるが、ビジターセンターのお土産やさんにも売っているので食べてみると面白い。ちょっとしょっぱいが、日本人の口には合うと思う。
また私たちは時間がなくて行けなかったが、ここファンディ湾で最も有名なのはホープウェルロックスという岩。この辺りは潮の満ち引きの激しい場所として有名で、なんとその差は最大15mにもなり、潮が引くと水の中に浮かんでいたホープウェルロックス周辺まで歩くことができる。
5:00pm プリンスエドワード島へ向かう。キャンプ場にはなるべく明るい内に着きたいので車を飛ばした。
9:00pm キャンプ場に無事到着。まだかすかな光があるので、急いでテントを組み立て夕飯を作る。今晩はタイココナッツカレー。強火で米を炊いたので鍋にたくさんひっついてしまったが、初日そしてこの暗さを考えたらまずまずの出来だと思うことにした。
11:00pm 食事を済ませ、シャワーを浴びて、海辺まで散歩。8月だというのに肌寒く、フリースをきた。海の音が優しく、空はどこまでも星空が続く。やっと旅が始まった気がした。
11:30pm 波音を聞きながら就寝。
Aug 2, 2016 (T)
6:30am 鳥の鳴き声で目が覚めた。せっかくなので、明け方のビーチまで散歩。もうすでにベンチに座って読書をする人がいたが、砂浜にはまだ誰もいなく静かだ。珍しい赤い砂浜はサラサラして気持ちがよく、思わず裸足になって散歩した。しばらく海を眺めて、戻った。コーヒーを淹れて、本を読む静かな時間。
10:00 am 子供達も起床し、バナナパンケーキをたっぷり食べ、いざ赤毛のアンで有名なグリーンゲーブルスへ。プリンスエドワード島は赤毛のアンであまりにも有名だが、物語に合わせてつくられたこのグリーンゲーブルスは、本を読んでない人達がわざわざ訪れる価値は特にないように思う。本に登場するイメージ通りの世界が広がるから、読者には感動するものがあるだけなんだと思う。逆に言うと、ここに来るなら是非一度本を読んでから来ることをオススメする。男女問わず。今回ここに来るにあたって、家族で赤毛のアンのオーディオブックを車中で聞き、改めてこの本の素晴らしさを実感した。息子達と主人も聞き入っていた。読んだばかりの本の舞台がそこに広がっていると言う事実にはきっと感動を覚えると思う。
話はそれたが、グリーンゲーブルスはさておき、やっぱりここの見所というのは島全体の美しさにあると思う。そしてそれはどこかに行けば見れるというのではなく、時間をかけて自分の目で見て感じ取ることでしかわからない。近くの観光案内所で地図をもらって、時間のある限りおすすめのドライブコースを楽しむと良い。
1:00 pm オイスターで有名な港町Malpequeへ向かう。お目当てはMalpeque Oyster Barnという魚屋の2階にあるレストラン。オイスターはもちろんハウススペシャルのムール貝も新鮮で、どれもとても美味しい。食事に合わせて地ビール特にブルーベリービールも是非一緒に。
2:30 pm 島をドライブ。
5:00 pm 首都のシャーロットタウンを散歩。この島で最も有名なCow’s Creameryでアイスクリームを食べたり、お土産屋を見たり、ストリートパーフォーマンスのジャズを聞いたり。小さい街だが可愛らしく、ここでゆっくり食事をしたり、赤毛のアンのショーを見るのも面白そうだった。・・が我々はそれ以上にキャンプ場に戻ってゆっくりしたく、夕暮れの道を急いだ。昨日よりは少しだけ明るいキャンプ場で、チリとサラダを作ってトルティーヤと一緒に食べた。夜になると冷え込むカナダ、チリで体が温まった。
10:00pm なんだかんだしていたら、もうこんな時間。焚き火をしながら、マシュマロをロースト。子供達は大喜びだ。空は相変わらず満点の星空。これ以上にない最高の気候。蚊もいない。子供達が寝た後もそのまま焚き火の前で温まりながら空を見上げ、波の音に耳を傾け、自分がこの雄大な自然の中にいる事実をゆっくりかみしめた。
Aug 3, 2016 (W)
6:30 am もう一度静かな海辺を歩きたくて目覚ましをかけた。本当に気持ちいい、今日も先客はいたが。
7:00 am 今日は移動の日。ノバスコシア州のケープブレトン島へ。来た時に通った橋を渡れば早いのだが、同じ道を通りたくなかったので、帰りは東側から出るカーフェリーを使うことにした。・・が問題は本数が少ないこと。9時半の次は1時半というスケジュール。というわけで、今日は全員が早起き。スープで簡単な朝食をすませると、テントをたたんでキャンプ場を後にフェリー乗り場のウッドアイランドまで急ぐ。約1時間。
9:35 am やはりフェリーに乗り遅れる。貴重な時間が台無しでもっと早起きしなかったことを後悔したが、仕方がないので開き直ってこの州最古の灯台があるという隣町Point Primを探索することにした。本当に灯台とその横のレストラン以外何もなかったが、灯台の上まで登れるので多少の時間つぶしにはなった。その後はしばらく子供達は海で遊び、私と主人は隣のレストランのデッキでビールを飲みながらゆっくり時間を過ごした。
そうそうないことだとは思うが、もしフェリーに乗り遅れたら、ここに来る他にワイナリーがある。私的にはそちらに行きたかったが、子供のことを考えてこの町を選んだ。それからフェリー乗り場の横に安くて美味しいシーフードの店があるので、テイクアウトしてフェリーに乗るといい。1時間45分の旅なので短くはない。
3:00pm 今朝キャンプ場を出てからもうかなりの時間が経つが、なんとかやっとノバスコシア州へたどり着く。ここから今日の目的地ケープブレトン島のキャンプ場までは約4時間。やっぱり遠い。行こうかどうか迷ったがもう遅い。いざ出発。
8pm 驚いたことに4時間のドライブも、途中の景色が綺麗なのであまり長くは感じられなかった。休憩がてらBaddeckの街で少し足を伸ばした後、無事キャンプ場へ。テントをセットアップして、途中のスーパーで買ってきたホットドッグと豆のスープを夕飯に食べる。
10pm シャワーの後、そのままビーチまで散歩して星空を眺める。雲1つない頭上に広がった素晴らしい星空が今日の疲れを癒してくれた。消灯。
Aug 4, 2016 (Th)
9am 昨日ベーカリーで買ったパンとトマトのスープで簡単な朝ご飯をすませると、この島での一番の目的であるキャボットトレールへ向かう。キャボットトレールは簡単に説明すると約300キロの景色が素晴らしいドライブコースで、特に海岸沿いはコーストラインが見えて眺めが素晴らしい。ドライブコースとはいうものの、途中ビーチに寄ったり、たくさんあるハイキングコースを歩いたり、時間があればクジラ観光船に乗ったりと、のんびり過ごしたいものだ。このあたりは本当に雄大で美しが、逆に言うと見所はそれしかない、良い意味で。だからそんな大自然は見るだけでなく少しは肌で感じると良いと思う。せっかくはるばるこんな遠くに来たんだから。とは言え、この上り下りが激しい道を自転車で回っている人々にはかなわないなぁ。
11am たくさんあるハイキングコースの説明を読みながらいろいろ迷ったが、選んだコースはスカイライントレール。理由はやはりそこから見える景色だ。ルートは1周できるようになっているが、短めにしたい場合は途中の分岐点で左に行くと良い。絶景のポイントが近く、またそこまでの道は全て綺麗に舗装されている。ほとんど平らな道で、小学生の低学年でも休憩しながら、歩ける距離だと思う。タイヤがしっかりしていればベビーカーも押していけれる。気付いたことだが、カナダの公園はそう言ったことがアメリカ以上に配慮されている気がした。ただ一周する場合はデコボコしている道から行くと最後が楽なので、右回りをお勧めする。一周回ると大人の足で3時間くらいだろうか?とにかく最先端からの景色は素晴らしく、誰もが満足感でいっぱいになるはずだ。途中でピクニックするのもお勧めなので、ランチやスナックは忘れずに。
3pm トレールを後に、しばらくキャボットトレールのドライブを楽しむ。
7pm 帰り道、Neil’s Cove という漁師町にあるチャウダーハウスに立ち寄る。岬の先にポツンとあるこのレストランの景色は言うまでもなく素晴らしく贅沢。そして中に入ると店内は地元の客で賑わっていて、とても温かい雰囲気がする。良い香りが立ち込める中、メニューを広げると値段もお手頃で、早速フィッシュアンドチップス(タラのフライとフライドポテト)とシーフードチャウダー、そしてロブスターをオーダーした。シンプルな料理だが、どれも新鮮で美味しかった。特に名前の通り、チャウダーはいろんな魚介類が入っていてここならではの贅沢品。外に出ると日が暮れかけていた。ここの冬を想像したら少し寂しい気分になった。長くて孤独な冬なのかな?
8:30pm いつもより早く夕飯を済ませたので、ビーチに向かう。夕暮れ時、はしゃぎ回る子供達、楽しい時間。
10:00 pm シャワーを浴びて、しばらく森の中を散歩した。明日はここを発つと思うと最後の夜が名残惜しく、とても寝る気にはなれなかった。これ以上ない最高の気候。風が爽やかで気持ちがよく、真っ暗な森の中の上に光るまぶしいくらいの星。そうそう簡単には出会えない贅沢な景色、忘れないでいたい。
Aug 5, 2016 (F)
7:00 am テントをたたんで、キャンブ場を後に、近くの港から出るクジラ船に乗る。まずはアザラシのいる岩を見学。本当にたくさん水面から頭を出しているのが見えて、可愛らしい。肝心のクジラは3分から4分に一度しか顔を出さないので、見るのが難しいが、最後の方になんとか見ることができた。やはり迫力があった。シャッターチャンスはもちろん逃したが。
12pm 船から降り、ケープブレトン島のスケジュールが全て完了した。これからノバスコシア州の首都であるハリファックスへ移動である。大自然を満喫した旅はここまで、これからは少し町歩きを楽しむ旅になりそうだ。
6pm ハリファックスに無事到着。ホテルへチェックイン、ディナー、そして映画。何もここまで来てとは思うが、子供達が少しエンターテイメントを必要としていたので、そう決めた。バケーション中なので、映画は9時からっと少し遅めのショー。ホテルに戻ったらもう11時半を回っていた。
Aug 3, 2016 (Sa)
9am ホテルのプールで泳いでから、ハリファックスのダウンタウンにあるファーマーズマーケットへ。鮮やかな野菜からパン、肉、魚までいろんな食材が並んでいる。スナックようにミニトマトと、スナックエンドー、グリーンピースを買った。採りたてのスナックエンドーやグリーンピースは生でも美味しいからドライブの途中で食べよう。
12:00 pm やはり今回のスケジュールは無理があったため、ノバスコシアの主な場所を見る時間がなくなってしまった。仕方だないから候補の中から近場のペギーズコーブ(Peggy’ Cove)とルーネンバーグ(Lunenberg)という港町に立ち寄ることにした。ペギーズコーブの方は小さい本当に漁村という感じで、ルーネンバーグの方はユネスコ世界遺産だけあってよく保存された色鮮やかな家屋が美しい街である。どちらも違った意味で絵本に出てきそうな美しい風景が印象的だ。
6pm 名残惜しいが、そろそろボストンに向けて帰る時間がやってきた。今晩は行きにも寄ったSaint John で一泊する予定だ。しばらくドライブして日も暮れかけた頃、車から見えた綺麗な湖で一息。今朝ペギーズコーブで買った新鮮なスモークサバでサンドイッチを作って、ハリファックスのマーケットで買ったトマトとグリンピースと一緒に食べた。シンプルだけど美味しさがいっぱい詰まったノバスコシア州の味がするサパーだった。ニューブランズウィック州はもうすぐそこ。
midnight 無事にSaint John にあるホテルへ。シャワーを浴びて、途中買ってきたハリファックスの地ビールNine LocksのIPAを飲みながらオリンピック中継を見て、冴えきった頭を休ませた。
Aug 3, 2016 (S)
9am 本格的に帰途につく。途中でSaint Andrewsというアメリカの国境に近い可愛らしいビーチタウンに寄ったり, ファームスタンドでワイルドブルーベリーや野菜を買ったりと寄り道をしながら国境を渡ってアメリカに戻る。
3pm アメリカに入ってからもそうそうは来ないメイン州北部を探索しながらボストンに向かう。Airline Brewing Companyでビールのテースティングをし、Bangorのシーフードショップでロブスターロールを食べ、ニューハンプシャーに入ってアイスクリームを食べっという感じで、ゆっくりとこの旅を少しずつ終わらせていった。
9pm ビーチ帰りの渋滞に巻き込まれながらも、無事帰宅。体も頭の中も疲れきっているが、心はリフレッシュされて澄み切っているのがしっかりと感じられた。
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