ロッジのキャストアイロンスキレットを使い始めてもう20年以上経ちます。買うきっかけをはっきり覚えていませんが、今ではなくてはならない私のキッチン愛用品で、1日に何回も使うのでもうしまわず常にガス台の上にでた状態です。
そしてうちのお料理教室でも同様頻繁に使うので、受講された多くの方は購入されます。私も高いものなら多少は考えるのですが、値段もお手ごろなのでつい勧めてしまいます。今回もサンクスギビングのクラスで新しく受講された方が多かったので、このスキレットの話で盛り上がってしまいました。そんな私の愛用品ですが、クラスでは丁寧に説明する時間がないので、ここに思いついたプロとコンをまとめておくことにしました。
好きな理由(プロ)
- 熱制御力が優れている。
5㎜という厚さがあるため熱するには少し時間がかかるが、一度熱すれば熱は均一に伝わるためムラなく料理ができる。また一度熱すればその温度を保持するため、しばらく放っておいても焦がしてしまうことなくゆっくりと素材の旨みを引き出すことができる。 - グリルのように使用できる。
耐熱性に優れているため(テフロンのフライパンは高温で焦げ目をつけるためのものではない)、熱々に熱し肉や野菜を加えると、あっという間に綺麗な焼き目をつけることができる。 - そのままオーブンに入れられる。
焼き目をつけてからゆっくりオーブンで火を通したい時など、そのままオーブンに入れられて便利。 - 手入れが簡単。
手入れが難しいと思いがちだが、洗剤をつけずに亀の子タワシ(金タワシはダメ)でさっと汚れを落とし、火にかけて水分を飛ばすだけ(始めの何ヶ月間かは特に)と至って簡単。綺麗好きな人にはちょっと始めは抵抗あるかもしれないが、洗剤を使わないことで油が全てスキレットの一部となりそれが味となっていく。スキレットに油が馴染むまでの何ヶ月間や、しばらく使用せずにしまって置く場合などは、サビ止めのため乾燥させた後油を全体に塗ると良い。 - なんでも美味くできる。
使えば使うほどスキレットに油が染み込み、それが味のレイヤーとして加えられていくので、必然的に毎日の料理に深い味わいが出る。その味は作ろうと思っても簡単に作れるものではなく、お好み焼き屋の鉄板で作るお好み焼きが美味しいというのに似ている。 - 安心な素材。
鋳鉄と言う天然素材で作られているので、テフロンなどに比べて安心して使える。環境にも悪くない。 - 流行にとらわれないタイムレスなデザイン。
クラシックなこのデザインはいつまでも廃れたりすることなくどんな料理とも合い、そのまま食卓に出してもうまく調和する。 - 経済的。
テフロンのように何度も買い換える必要がない。減ったり壊れたりということがないので一生の道具。
不便な点(コン)
- 重い。
- とってが熱くなる。
- くっつく時もある。
デリケートなものはくっつく時もあるので、ノンスティック(テフロンなど)のフライパンと使い分けると良い。ただ始めくっついていたものでも、フライパンに油がうまく馴染んできたり、自分の腕前が上がったりするとくっつかなくなることもあるので、再度チャレンジしてみると良い。 - 熱するのに時間がかかる。
スキレットに厚みがあるため、始め少し熱するのに時間がかかる。 - 頭を使う。
ほとんど失敗することなく簡単に使えるテフロン加工のフライパンに比べ、ロッジのスキレットは料理を美味しく作ることができるが、始めにスキレットを熱したり、火加減や食材を加えるタイミングなど、考えて料理をする必要がある。 - 多めの油が必要。
油を毛嫌いしている人、少量の油で料理するテフロン加工のフライパンに慣れている人には、始めは抵抗があるかもしれないが、油は特に体に悪いものではないし、大さじ1杯程度のことでその違いはよく考えれば微々たるものである。
一般的に言われているお手入れも時間が経てば、油の層が厚くなりそんな必要さえなくなってきます。私は乾かしてから油を塗ったことなどありませんが、とにかくある程度のレイヤーがついて丈夫になるまで丁寧に扱うと良いでしょう。ちなみに現在私の使用しているものは、何日も水に浸けておいても、濡れたまま置いておいても、もう変化することない程丈夫です。
最後に一番大事なことは、最近日本でも流行ってきているとは言えこれは誰にでもオススメできるものではありません。よく皆さんが心配しているお手入れの問題よりも、このスキレットの使用法に順応できるかどうかです。テフロン加工のフライパンでさっと料理してきた方には、慣れるまではくっつくこともあったり温度調整がよくわからなかったりでイライラすることもあるかもしれません(ちょっと大げさですが)。使っていれば自然に要領を得ていくので問題はないですが、さっと簡単にテフロンで作る料理の方が好きな人も多いはずです。どちらがいいとかではなくスタイルなので、流行に左右されず自分の調理法に合っているかどうかを考えて購入することをお勧めします。
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