キューバリブレとはキューバで生まれたカクテルで、フリーキューバという意味を持ち、1898年にキューバがスペインから独立した時の記念に作られました。材料はシンプルで、ラム酒、ライム、コーラのみですが、いくつかの理由でアメリカのキッチンで作るとちょっと出来上がりが違ってしまいます。私はキューバには行ったことがないのですが、コロンビアのカルタヘナ/cartagenaと言うとてもキューバから近い国のバー(上記写真)でこれを飲んで、味の違いに驚きました。その理由の1つとして、キューバのライムは普通のライムと違いとてもマイルドなので、ライムの配分を多くしても酸味が気にならず、多めのライムがコーラの味を和らげ程よいカクテルが作れます。多分アメリカではキーライムがそれに最も近いかもしれません。そしてもう1つはコーラの種類です。キューバーでは違う種類のコーラがあり、味がマイルドなのでこのカクテルとしっくりくる気がします。アメリカでも昔ながらのコカコーラを作っている会社がいくつかあるので、興味がある人はこちらを参考にして下さい。私はよくロードアイランドの Yacht Club Soda のコーラを使います。
さて話は変わりますが、コーラという炭酸水はコカコーラ社以外にもたくさんの会社が作っているってご存知でしたか?マーケットはほぼコカコーラ社に占領されていますが、それでも今でも昔ながらのコーラを作り続けている小さな会社がたくさんあるのです。それでは、今世界中で愛されていると言っても過言ではないコーラとはいったい何なのでしょうか?
コーラの発祥は18世紀の前半にアンジェロ.マリアーニというフランスの科学者が考えだした、ワインにコカの葉のエキスを加えたコカワイン(Vin Mariani)だと言われています。コカの葉はコカインを抽出する元の原料ですが、葉の部分を少量摂取するには体に害はなく、それどころかペルーやボリビアなどの原産地では葉の部分をお茶にしたり直接噛んだりして、薬用や嗜好品として用いています。当時もこのコカワインは体に良い薬用ドリンクとしてアッパークラスが好んで使用していました。アメリカでもアトランタの薬剤師、ジョン.ペンバートンによって、同様なコカワイン(Pemberton’s French Wine Coca)を作り人気を呼びました。
ところが1885年にアトランタに禁酒法が施行され、その結果1886年にジョン.ペンバートンはワインの代わりにシロップを使用した新しいコカドリンクを作り出しました。それには今まで通りのコカと当時新しくアフリカから輸入されたカフェインを含むコーラの実を含んでおり、明らかにこれが今のコカコーラの名前の由来になるわけです。コーラの実は西アフリカが産地のカフェインを含む木の実で、コーヒーやお茶のように昔から産地周辺で嗜好品として使用されていました。
19世紀の後半にドラッグに対する不安が高まり、コカを使用することが禁止になり、コカコーラにコカの葉がほとんど使用されなくなりました。そして次第にコーラの実もコストがかかるようになり、コーラの実の代わりに葉を使用したり全くアーティフィシャルなフレーバーのみを使用するようになり始めました。現在実際にコカコーラの中にコカの葉とコーラの実が入っているのか、もし入っているのならどれくらい入っているのかなどは定かではありません。というのも詳しいレシピは企業秘密だからです。それにしても、その有名なレシピはアトランタの金庫の奥底に眠っているという噂です。
現在は100%に近い程、コカコーラ社のコーラが主流ですが、他にも昔から作り続けていコーラがいろいろあります。最近のソーダーブームでこれらのコーラもまた店頭に並ぶようになっています。レトロなパッケージがかわいらしいだけでなく、コーンシロップの代わりに砂糖を使ったり、カフェインを含まなかったりと体にも優しく作られています。昔ながらのコーラは、トレーダージョーズやホールフーズでも簡単に手に入るので是非試して下さい。もしもっといろいろなコーラーやソーダーを試してみたい方はこちらのブログ、”昔ながらの手作りソーダー”をご覧下さい。
キューバリブレのカクテル
材料:1杯 | |
2oz(大さじ4杯) | ラム酒、ホワイトでもダークでも良い |
120−180ml | コカコーラ |
1個、半分に切る | ライム |
適量 | 氷 |
作り方:
- 細長いグラスにライム1個分を絞り、1/2個分の絞ったライムをそのままグラスに加え小さめの木べらやすりこぎなどで上から軽く押しつぶし、ライムの皮からフレーバーを出す。
- 1にラム酒を加えたら、好みの量のコーラを加えて、好みで氷と飾り用のライムスライスを加えてサーブする。*ライムはつぶさなくても良いのですが、こうすることによってライムの深い味が加わり、本場の味に多少近くなる気がします。実際カルタヘナでもライムをつぶしていました。ノンアルコールドリンクですが、同様にライムの皮を加えて作るブラジル風ライムネードもお勧めです。これにラム酒を加えてカクテルにしても良いでしょう!
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