春休みを利用して、子供ができて以来初めて、夫婦だけの旅行に行って来ました。そのため、ちょっと期間は短かったのですが、久しぶりのバックパックの旅でした!
7年前に長男を生むまでは 、1人でも夫婦でもバックパックをしょって、様々な国を旅してきました。でも子供ができてからは、こんな旅はしばらくできないだろうとあきらめていたのですが、去年のコロンビアに続いて(2歳半の息子のみ同伴)、今年はトルコ旅行が実現でき、なんともラッキーな年が続きました。
トルコは以前、一度訪ねようと試みたのですが、その当時は治安が不安定であきらめて断念したことがあったので、今回は長年の憧れの地への旅となりました。短期間の旅でしたが、たくさんの新しい発見をし、食に関しては特にいろいろと満喫してきました。これは、そんな思い出を記録として書き留めた、私の8日間のトルコへの旅行記です。
4月18日
12:30 PM: ロングアイランド(NY)の義理の両親のもとに子供達を預け、車でJFKへ向けて出発。相変わらず時間ぎりぎり、しかも途中の事故での渋滞のため、出発1時間前にやっとターミナルに到着。
4:45 PM: それでも何とか無事に機内へ搭乗。デルタ航空、イスタンブール行き、約9時間のフライトです。
1日目(4月19日)
10:15 AM: イスタンブールに到着。長い列のイミグレーションを終え、やっとのことで飛行場に直結するメトロのM1線に乗り、途中でトラムヴァイと呼ばれる路面電車に乗り換え、旧市街の中心、スルタンアフメット駅に到着。イスタンブールはこのトラムヴァイが発達しているので、移動がとても早くて便利です。降りるとすぐに、屋台の焼き栗に目がいきましたが、とりあえずは我慢して、地図を見ながら予約したホステル(ジョシュクンゲストハウス)探しです。
1:00 PM: 駅から歩いて10分、ホステルを見つけました。トプカプ宮殿とアヤソフィアの間という最高のロケーションに私達のこのホステルは存在していました。部屋は、お土産屋さんの2階で狭いけれど清潔で暖かいシャワーがでたので、とりあえずはそれだけで大満足。すぐにシャワーを浴びると、待ちきれずに街へ繰り出しました。
機内食以来何も食べてなく、お腹がぺこぺこの私達、まず最初は腹ごしらえです。機内でもずっと迷っていたイスタンブールでの最初の食事は、名物の鯖サンドにすることに決定。ホステルの前の屋台で買った焼き栗をほおばりながら、鯖サンドの屋台があるガラタ橋の方へと歩きます。同じ屋台が何軒もあるので、一軒一軒見ながらどの屋台にしようか迷っているうちに、いつのまにかガラタ橋の向こう側の新市街(カラキョイ)まで来ていました。こちら側にも鯖サンド屋が沢山並んでいます。そんな屋台に沿って歩いて行くと、なんと魚市場を発見したのです。そしてその市場の中に、地元の人でにぎわっている小さなレストランを見つけました。もちろん、ここで鯖サンドを食べることに即決定です。歩いた甲斐がありました。これ以上新鮮な鯖サンドはないでしょうから。ついでにイワシのフライもいっしょに頼んで大満足!
2:30 PM: お腹も一杯になった後は、旧市街に戻り、スパイスバザールを探索です。色鮮やかなスパイスが奇麗に並びます。バザールのすぐ外ではチーズやコーヒー豆、ナッツなどの他の食料専門品店が並び、その周りからは迷路のように細い道がのびていて、エリアごとに衣類、文房具、金物、画材、電化製品、絨毯などと同じ系統の店が固まって並んでいます。そんな間に度々目にする、トルコのデザート屋さんパスターネ。ショウウインドウに奇麗にいろんなデザートが並んでいて、とても美味しそうです。お腹がもう少し空いたらと思っていたのですが、とうとう我慢ができず、お腹が一杯だというのに、その内の一件に入ることにしました。
トルコのパスターネはどちらかというと日本の和菓子屋と似ていて、高級感があり伝統的な店がほとんどです。値段も高めなのは、やはり蜂蜜、ゴマ、ナッツ、ドライフルーツなど素材が高級だからでしょう。かなり長い間、試食をしたり眺めたりと迷っていた私達ですが、結局主人が選んだ巨大サイズのピスタチオソースがかかったミルクプディングと、トルコのコーヒーをオーダーしました。プディングはとても素朴な味でクリーミーに仕上がっており、日本のミルクプリンに似た感じでした。トルコ風のコーヒーは粉状のコーヒーを煮だして作るので、粉っぽくどろっとしたエスプレッソのような感じになりますが、カフェインはほとんど効いていないようでした。地元の人はどちらかというとこのコーヒーより、小さな透明なコップに入ったチャイ(お茶)を好んで飲みます。そんなにすごく美味しいお茶でもないのですが、安くて砂糖をたっぷり入れるとそれなりに飲める味になります。トルコ人は少なくともそうやって甘くして飲むのです。始めは無糖で飲んでいた私達も帰る頃には、砂糖をたっぷり入れ、彼らの様に1日10杯とはいきませんが、5杯くらいは飲むようになっていました。
4:00 PM: ぶらぶらとした気ままな街歩きにも満足できたので、日が暮れる前に観光名所をいくつか見学することにしました。まず最初はイスタンブールの象徴でもあるスルタンアフメット・ジャーミ、別名ブルーモスクを見学です。実際に今でもモスクとして使用されているので、沢山の人がお祈りをしていて、神聖の場であることを感じました。独特の丸天井のドームと、その天井から内壁を飾る2万以上のイズニックタイルは見事で、またそれに対比して大きなシンプルなライトのデザインがステキだなっと思いました。
モスクを出てまだ時間があったので、お次はアヤソフィア博物館へ向かいます。537年に完成したビザンツ様式のアヤソフィア聖堂(ハギアソフィア)は1453年にモスクに変えられ、モザイク全てが漆喰で塗られてしまったのですが、1931年に修復され、再びビザンツ時代の遺跡として脚光を浴びます。そんな歴史を頭に思いながら修復されたイエスキリストや聖母マリアのモザイクを見ていると、信者でない私にも、とてもありがたく感じられました。長い激しい歴史を耐えながらやっと再び日の光を浴びたんだなっと、こんなに深く感動したのも、1ヶ月前に起きた東北地震やさっきテレビで見たトルコのすぐお隣の国、リビアの内戦の影響があったからかもしれません。いろいろあったけど、今は穏やかで平和そうな壁画。世界中が早くこんなピースであって欲しいなっという思いで、アヤソフィアを後にしました。
2日目
11:00 AM: 今日の一番の目標はガイドブックで一押しのトルコ料理レストランに行くことでした。問題はちょっと観光地から離れているので、地図などのあまり詳しい情報がなく本当にたどりつけるか、もしくは本当にそんなレストランが存在するかなどでしたが、シャワーを浴びて11時にはホテルを後に、レストラン探しへ出発です。トラムヴァイで目的地に到着してからは、地図を片手に何度も行ったり来たり、そして最終的には地元の人にも何度も聞きながら、やっと12時過ぎには見事にレストランを発見しました。トルコに着いて初めての本格トルコ料理なので、前菜もメインもいろいろ入っているサンプラーを作ってもらいました。前菜はババガヌシの様な冷たいディップ系が6品。なすやローストペッパーなどの野菜にヨーグルト、タヒニ、オリーブオイルがかかり、クミンやいろんな種類のチリペッパーのスパイスが混ざっています。それをできたてのビタパンの様な丸く薄い焼きたてパンにつけて食べます。ディップ状になっているので、見た目は悪いですが、どれも今までに無い新しい味なのに、とても馴染み安く美味しかったです。そしてメインのシシカバブは日本でいう焼き鳥風の物からつくね風の物までいろいろありましたが、どれもちょうど良いスパイスを効かせてグリルされており、ラムも臭みがなく、今まで食べたラムの中で今日のラムが一番美味しかったといっても過言ではないくらいの美味しさでした。
それもそのはず、結果今回の旅で一番美味しかったレストランが実はここだったのです。探した甲斐がありました!
2:00 PM: 食事の後、せっかく観光地を離れ住宅街に来たので、この辺りを探索することに。ちょっと観光地を離れると、本当の地元の人の生活が見れるから、私達はこういった所を歩くのが大好きです。どこを歩いても全てが目新しく楽しかったので、このまま旧市街の方まで歩いて帰ることにしました。途中、古い水道橋(ヴァレンス水道橋)付近に小さなマーケット通りを見つけました。肉屋、スパイス屋、チーズ屋、野菜屋が並び、全てがとても新鮮そうに見えました。真剣に念入りにチェックをしながら品物を選んで、それぞれを専門店で買い物をしている客を見て、昔は日本もこうだったなっと少しなつかしく思いました。
そこからさらにまっすぐ行くと、イスタンブール大学の付近を通りがかります。屋台で見慣れない3種類の果物を試食。どれもすっぱく熟れてない梅を食べているようでしたが、学生達は美味しそうに食べていました。試食した手前、一番ましの様な気がしたフレッシュのアーモンドと今が旬のイチゴを買いました。アーモンドはちょっと食べきれませんでしたが、イチゴはとても甘く穫りたての味でした。
それにしてもどこの国も学生街は活気があっていいですね。カフェでプロフェッサーと真剣に語る学生や、木陰で本を読む学生を見ていると、自分のそんな時代をなつかしく思い出しました。
4:00 PM: さらに歩き続け、ついに旧市街に戻って来たようです。気付いたら、グランドバザールの裏手まで来ていました。たくさんの人でにぎわっています。私達も早速中に入ると、まるで迷路の様で、地図を見ているのに全く違う場所に行ってしまったりするのです。バザールの中はお土産屋さんも多いですが、まだまだ地元の人が必要な日常品もたくさん売っています。一件一軒見ていると楽しくて、そうこうしている内に思っていたより長い時間バザールの中にいたようです。外に出ると外は暗くなりかけていました。
6:30 PM: バザールを後に歩き始めてすぐ目に入ったのが、昨日から街で時々見て気になっていた、窓越しに女性が座ってパン生地を薄く引き延ばして焼いているレストランでした。ちょっと日本の手打ちそば屋の前で手打ちを披露しているのに似たかんじです。これはユフカというトルコのパンで、クレープの様に中に具を挟んで食べるらしいですが、とにかくイスタンブールでとてもポピュラーな食べ物で、歩いているとよくこのタイプのレストランを見かけます。小腹が空いていたし、ずっと気になっていたので、早速入ってホーレンそう入りのこのクレープ(ギョズレメ)とチャイをオーダーして食べました。クレープよりさっぱりしていて、野菜たっぷりでとても美味しかったです。イタリア系の主人は焼きたてのパンほど贅沢な物はない、とよく言いますが(もちろんフレッシュパスタも)、確かにそうですよね、改めて実感しました。
9:00 PM: 日もすっかり暮れた後、ホステルの近くまで戻って来たのですが、このままホテルに戻るにはちょっと物足りない気分だったので、近くのブティックホテルの最上階(4階)にあるカフェバーへ行くことにしました。主人はビール、そして私はトルコ特有のお酒、ラクを注文しました。これはアニスの香りがするアルコールですが、他のヨーロッパ諸国にある物に比べて甘みが少なく、ギリシャのウーゾと似ています。ラクと水がそれぞれ入った小さなグラスが2つ運ばれて来ました。ウエイターがトレーの上で、水のグラスを取りラクのグラスに注ぐと、なんと透明だったラクが真っ白になりました。面白いことに、これは反対にラキを水に加えても白くならないそうです。不思議です。味の方はアニスの香りがするウォッカを飲んでいる感じでした。ほどよい気分になっていると、外からお祈りが聞こえて来ました。1日6回あるイスラム教の最後のお祈りの時間でしょう。時計をみたら10時を少し回っていました。1日に6回モスクからスピーカーでお祈りが街中に響きます。テラスに出ると照明がついたブルーモスクが奇麗に見えました。お祈りを聞きながら、ラキを飲むとはトルコならではの経験です。しばらく夜風にあたりながらお祈りを聞き、すっかりいい気分になってホステルに戻りました。
3日目
9:00 AM: 時差ぼけで眠れなかったという主人は朝なかなか起きれず、待ちきれなくなった私は1人で散歩に出かけることにしました。昨日より早起きだったせいか、ベーカリーがたくさん目につきました。早速その一件に入り、ほうれん草入りのボレキというトルコ風パイを買ってホテルに戻りました。リッチなサクサクのパイ生地は、どちらかというとクロワッサンに似ていて、新鮮なほうれん草がたっぷりの出来立てあつあつで、満足のゆく朝食でした。早起きして良かったです。
11:00 AM: ご存知のない方もいらっしゃるかと思いますが、トルコというのは西洋と東洋の中継地と言われています。実際にイスタンブールは地理上でいうヨーロッパとアジア側の地にまたがっています。それもトルコがエキゾチックである理由の一つであると思いますが。そんな理由で、ヨーロッパ側にある旧市街に滞在している私達は、せっかくなので今日はフェリーにのってアジア側を見学することにしました。ホテルを出て、1934年に出版されたアガサ.クリスティーのオリエント急行殺人事件で有名なオリエント急行の終点駅、シイルケジ駅を通り、フェリー乗り場へ向かいます。ちなみにイスタンブールから首都アンカラなどアジア側を旅するには、一度フェリーでアジア側に渡り、始発駅ハイダルパシャ駅に移動しなければなりません。フェリーに乗ってマルマラ海を横切りながらヨーロッパとアジアを同時に眺めていると、そんな中継地にいるんだなっと実感し、うまく表現できませんが、歴史を近くに垣間見ることができた様な気がしました。中国のシルクロードを旅している時も似た様な感情にひたったことを覚えています。こういった貿易の中継地の古都は、やはりどこかがエキゾチックなんですね。
フェリーに乗り30分程すると到着です。実は今日のメインのお目当てもレストランで、この辺りで流行っているランチのお店に行くことでした。ただここもあまり詳しい地図がなく、フェリーを降りた後でかなり苦労しました。1時間程探し歩いた後、ファーマーズマーケットを通り抜け、レストランやカフェの広がる歩行者天国の通りにやっとお目当てのレストランを見つけました。レンティルスープ、チキンスープ、トルコ風コロッケ、そして今が旬の大きなアーティチョークのご飯詰めをオーダーしました。どれも日常に食べるカジュアルなメニューでしたが、一つ一つが全て美味しく、得にアーティチョークはアメリカでみる物の2倍くらいのサイズで、味がもっと深くレモン風味のご飯ととてもマッチしていました。それにしてもいつもながらに、本当に胃袋がもっと大きかったらなっと思わずにはいられませんでした。
2:30 PM: レストランを出て、しばらくこの辺りを探索することにしました。まずはすぐ突き当たりを曲がると、フレッシュジュースの専門店を発見。山積みになったザクロを絞ってジュースを作ってもらうと、種からの苦みとザクロの甘さがちょうど良い、絞り立てならではの美味しさでした。そして次に行き当たったのが蜂蜜屋さんです。大きな透明の箱に産地別に分けられた蜂蜜が豪華に並べてあり、高級そうな構えの店でした。私達も美味しそうな蜂蜜を選び、並んでいたヨーグルトにたっぷりかけてもらいました。とても濃厚でクリーミーなヨーグルトに同じくらいの量の蜂蜜がかかっているので、それはもう贅沢な味でした。蜂蜜は市場などいろいろな場所で量り売りしているのを時々見かけましたが、きっとトルコは蜂蜜が良く穫れる国なんですね。蜂蜜が大好きな私としては、うらやましいかぎりです。
3:30 PM: アジア側を後にフェリーで旧市街にいったん戻り、その後すぐに新市街(ベイオウル)に向かいます。今日はハードスケジュールです。古い建物が狭い場所に迷路のように並んでいる旧市街に対し、新しいショッピング外やお洒落なスポットはほとんどこちらの新市街にあります。ヨーロッパやアメリカ系ブランドのお店、お洒落なカフェなどがぞろぞろ並び、若いファッショナブルなカップルや観光客が沢山歩いています。旧市街から来た私達は一瞬そのギャップに驚きましたが、すぐに慣れてこの都会的な快適な通りを歩きながら、ウインドウショッピングを楽しみました。アートギャラリーやミュージアムもたくさんあって、まるでNYのソーホーや5番街を歩いているような気分でした。
7:30 PM: 夕方近くまでこの辺りを探索し、それから新市街のお目当てのレストランへ向かいます。今日はメゾといういわゆるトルコ風のタパスが目的です。ここでは前菜サイズの料理を何品もオーダーし、シェアしながら伝統的にはラクといっしょに楽しみます。最近の若い人はビールをオーダーする人が多いようですが。分かりやすく言うと、いわゆる日本の居酒屋ですね。メニューは冷前菜と暖前菜に分かれています。トルコはイスラム圏なので、多くのカジュアルなレストランにはアルコール類がなく、飲む時はバーやこういった居酒屋風レストランに行くことになります。この辺りは夜になると若い人々が集まり、とても盛り上がるということで楽しみに来たのですが、予定のレストランは満員。何度もレストランの並ぶ迷路のような狭い通りを行き来し、迷いに迷ってなんとかシーフード専門の居酒屋で食べる事に落ち着きました。トルコの店でこういった前菜のような一品料理を扱う店はその日にあるものをトレーにのせてテーブルまで運んで来ます。そして客は欲しい物を見て注文します。というわけで、何をオーダーして良いかわからない旅行者には便利なシステムになっています。いろいろ迷った結果、海藻サラダ、鯖のマリネ、いろんなシーフードのグリル、そしてもちろんラクをオーダーしました。どれもとても美味しく、意外な鯖の使い方は勉強になりました。
10:00 PM: お腹がいっぱいになった後は、今日最後の目的地、イスタンブールでもっとも由緒あるバクラバのお店へ向かいます。途中人けが少ない道を通り、本当にこんな所にそんな有名な店があるのかと不安になっていたところに、ネオンピカピカのバクラバ屋さん、ありました。夜11時だというのにたくさんのお客さんがお皿一杯のバクラバを食べています。バクラバはフィロというペイストリーにナッツと蜂蜜がたっぷり入った、ケーキなどに比べればヘルシーなデザートで、和菓子のように小さく甘さが凝縮されています。アメリカでは時々中近東のレストランで食べるのですが、さすが本場の老舗の店で食べる味は、比べ物にならない程クリスピーでフレッシュで甘いのにさっぱりして、帰って来てからも時々あの味を思い出すほどです。そうなんですが、さすがに1、2個で十分。トルコ人の様にお皿に山盛りは、ちょっと無理でした。今となっては後悔ですが。
11:00 PM: もと来た道を戻り、ガラタ橋を渡ると、こんなに夜遅いのに橋の上から釣りをしている人がたくさんいます。バケツには10㌢位の魚が何匹か入っていました。たいした物は釣れてないようですが、皆さんとても楽しそうでした。彼らのためにライスピラフを売る屋台や釣り道具屋さんなど、橋の上はにぎわっていました。それにしてもイスタンブールのアジア側、ヨーロッパ側、新市街、旧市街の全ての夜景を見渡しながらの釣りとはなんとも贅沢ですね。
4日目
10:00 AM: 今日はイスタンブールの最終日です。だいたい重要なサイトは見学してしまったし、特にこれっといってしたいことがなかったので、フンドゥクザーデという郊外で金曜日のみ開かれているという青空市場を見学に出かけました。結果この市場は衣類品から化粧品、家庭用品などが多く、私達のお目当ての食材や屋台の食べ物にはありつけませんでしが、真の地元の人々の生活の一部を見ることができたように思えました。そしてたくさんの地元の人との交流もあり、楽しい時間を過ごせました。そうそう、もう一つ良かった事は、いつも屋台で売っているトルコ版のベーグルといった感じのスィミットの焼きたてにありつけたことです。ベーグルよりちょっと固いのですが、なかはもちもちして外側にたっぷりゴマがついていて、かむ程に味がでてきます。出来立ては格別でした。
12:00 PM: マーケットの後は特に予定がなかったので、歩き疲れるまで旧市街に向かって歩き続けることにしました。そして今日は特にお目当てのレストランもなかったので、目についた食べたい物を食べたいだけ食べて良いというルールです。いつもは美味しそうな物を屋台で見つけても、お目当てのレストランで美味しくご飯をたべられるように、なるべく食べずに我慢してきました。ですから、今日は気分わくわくです。まずは早速、1ブロックごとに存在するといっても大げさではない、ギリシアの名物ギロのトルコ版、ジャージュクをピタパンに巻いたサンドイッチを食べます。チキンとラムがあるのですが、ラムを毎日食べているので、チキンをオーダーしました。グリルした肉のサンドイッチ、ご想像通り美味しかったです。そして次はミニドーナツ(中は空洞で軽いかんじ)をあまいシロップに浸けてあるお菓子、トゥルンバに挑戦。私はやみつきになってしまいました。
....とこんな感じでつまみ食いをしながら、何時間もゆっくり歩いていたら、結局また旧市街のバザールまで戻って来ていました。少し疲れた足を休めるため、バザールの外のオープンカフェでお茶をして、その後はバザールでお土産用の買い物をすることにしました。スパイス、お茶、気のスプーン、ナッツ、ドライフルーツなどをたくさん買いました。
4:00 PM: バザールを後に、ホステルに戻ってお土産を置き、見忘れていた最後の観光名所、オスマン朝の支配者が400年もの間に渡って居城したというトプカプ宮殿を見学に行きました。ゲートをくぐるとちょうどチューリップフェスティバルが終わっただけあって、まだチューリップがたくさん庭園に咲いてとても奇麗でした。そして宮殿の中に入ると、何よりも私の目を引いたのは、床から天井までに使用されているタイルの色とデザインの美しさでした。青が中心のタイルのデザインにしぱしみとれていました。ずっと昔のものなのに、とてもモダンなデザインと色使い。昔から憧れていたエキゾチックなトルコのタイルを実際にみることができたのは感動でした。 少し残念だったのは、お目当てのスルタンの調理場が修理中で見れなかったことです。食べる事と料理する事に興味がある私としては、調理場の配置や大きさを是非見学したかったからです。 仕方が無いので、パンフレットの説明と写真から想像することにしました。
宮殿の中は広いのであっという間に閉館の時間になってしましました。それにしてもどこの国でもこうした城や宮殿は立派なだけでなく、すばらしい眺めというのがつきものですが、ここトプカプ宮殿もまさに同様、イスタンブール中を見下ろせる程すばらしい眺めがあり、その景色は壮大でした。風に吹かれながらもう一度イスタンブールを一望でき、最後にふさわしい名所となりました。
6:00 PM: 日が暮れて来ます。イスタンブール最後の夜。なんとなく寂しい気分です。最後の夜らしい食事と思うと何も思い浮かばず、結局ホテルのすぐ近くの地元の人でにぎわっているトルコピザ、ピテを食べに行きました。もちろんピテのトッピングはラム!チーズがのっていない分さっぱりしていて、思ったよりずっと美味しかったです。そしてもう一品、茄子とラムのミートボールの串焼きを食べたのですが、もう最高。今回の旅行でわかったのですが、トルコは茄子がとても美味しい国なんですね。
夕飯の後はトルコ名物の伸びるアイスクリーム、ドンドゥルマに挑戦です。話せば長くなる話なのですが、私が初めてこのトルコのアイスクリームを知ったのは多分小学生くらいだったと思ます。日本の”なるほどザワールド”というクイズ番組で紹介されたのを見て知りました。画面の中で、おじさんがアイスクリームを手でおもいっきり伸ばして丸めてサーブしているのを見て、それ以来それがずっとどこかで気になっていて、トルコといえばこのアイスクリームを思い浮かべていました。今回トルコに来ることになりいろいろ調べてみると、産地は、かなりイスタンブールから遠い地にあり、巡り会う事はないとあきらめていたのですが、イスタンブールに来てみてびっくり。観光地には必ずといって良い程、このアイスクリームを売るカートが存在するのです。多分トルコ人にとってもこれは特別なものなんですね。
さてこんなによく目にする憧れのアイスクリームを今日まで口にしていなかったのは、どの店のプァフォーマンスを見ても伸びが足りないのです。粘力はあるのですが、やはり昔テレビで見たものと違うので、横目で見ながら何度も通り過ぎるのですが買う決心がつきませんでした。しかし最後の夜というので、とうとうチャレンジすることにしました。バニラを注文したのですが、味はバニラよりもっとミルキーでとてもクリーミーなのどごしです。このアイスの仕掛けは欄の球根で、この中の成分がこのもちもち感というかクリーミー感を出し、伸びるアイスができるのだそうです。そしてその欄の球根の量によって、伸び方が変わって来ます。最近は不足がちなので、国内のみで消費しているそうです。カフェに行くとこの球根から作られるサーレップというクリーミーな暖かい飲み物があり、味はこのアイスと似ていて、飲むとどろっとした感じがします。この球根はチューインガムの原料にもなっていて、トルコは世界一のチューインガムの生産国らしいのです。ということはトルコで作られているガムには全てこの球根が入っているのかしら?と質問は絶えませんが、まだそこまでは調べていません。話は長くなりましたが、今回念願のこのアイスクリームを食べた感想はというと、テレビでみた本場の味は得る事ができなかったという残念な気持ちはありますが、同時に小さい頃憧れていたあの地にこんなに近づけ、本場の味も想像できるまでの味に出会えたといううれしさでは、まずまずの満足感でしょうか?
7:30 PM: もう明日は早いし、ホステルに帰って荷作りをしても良い時間なのですが、やはり最後の夜だし、金曜日ということもあって、もう一度ガラタ橋を渡り新市街のレストラン街へと繰り出します。結局ライブミュージックが流れるバーでビールを一杯飲んだだけですが、最後の夜の締めくくりをした満足感で、ホステルに戻れました。
11:00 PM: ホステルに戻る途中、ガラタ橋の上で相変わらず釣りをしている人達が見えます。そして今日は金曜だからか、昨日の何倍もの人達が釣りをしています。チャイを飲みながらおしゃべりして、金曜の夜を楽しんでいるようでした。しばらくぼーっと彼らを眺めながら遠くに見える明かりを見つめていました。何にも束縛されない自由な時間に感謝しながら、私達もたっぷり最後のイスタンブールの夜を満喫しました。
5日目
6:00 AM: 少々の寝不足ですが早起きして、9時15分発のイズミール行きの飛行機に無事搭乗。イスタンブールから約1時間南下すると、景色も雰囲気も全然違い、気候もかなり暖かくなっていました。飛行機を降りて、電車で目的の町、セルチュクに向かいます。車窓からは羊やヤギ、オリーブの木が見えて、地中海沿岸っぽい雰囲気になってきました。天気も良くのんびりとしたいい気分です。1時間もしないうちに、セルチュクに到着です。エフェスという有数な古代都市遺跡の近郊の街としては、とても静かな田舎的な街で驚きましたが、なぜなら多くの観光客は大型バスでイズミールから直行するので、この街は素通りするだけだからだそうです。
11:45 AM: 小さな街なので、駅から予約してあったペンションまではたったの徒歩5分。早速チェックインをすませ、土曜日に盛大に開かれているファーマーズマーケットに直行しました。トルコの田舎の方は、まだこういった市場が主な買い出し場所になっているようです。すごい種類の野菜や果物がたくさん並んで、色鮮やかで奇麗でした。トルコは自給自足ができる数少ない国の一つというだけあり、いろんな野菜や果物が豊富だなっと思いました。そして新鮮だからか、気候がすぐれているからなのか、どんな野菜を食べても甘さがあっておいしいのです。キッチンがないので、野菜を買って料理できないのが残念でしたが、イチゴとビワとトマトをおやつに買いました。その他に見た事の無い野菜が何種類もあったり、大きな茎と葉付きのアーティチョークが山積みなっているのが印象的でした。
お昼はマーケット沿いにあるケバブ屋さんへ。この辺りのケバブのスタイルはチョップシンと言い、日本の焼き鳥程の小さいラムを串に刺して焼きます。1人用のお皿にサラダとチョップシン、緑のとうがらしのグリル、そしてバルガーウィートのピラフがセットになってでてきました。主人は辛くて食べてませんでしたが、私はラムを食べる時にこのとうがらしをいっしょに食べるのが美味しくて、辛かったのですが、水を流し込みながら食べていました。そして食後に頼んだ名物のプディングにタヒニ(練りゴマ)がかかったデザートは冷たくてさっぱりして、口に残ったとうがらしの辛さをいやしてくれました。それにしてもトルコでは何にでもタヒニを使うのですね。何と言ってもやはり今回トルコに来て一番勉強になったのは、タヒニの使い方です。ボストンに戻ったら、忘れないうちにタヒニを使ってみなきゃ!
2:00 PM: お昼のあとは、バスで1時間程の山間にある、シリンジェという小さな村へ向かいます。ここには昔住んでいたギリシア人の古い町並みが美しく残っています。オレンジの瓦に白い壁の家が山沿いにあり、オリーブの木やカモミール、何種類ものハーブが道ばたに生え、とてもメルヘンチックなかわいらしい村です。ここ最近の観光開発ですごい人数の観光客がこの小さな村に押し寄せているのにもかかわらず、人々はとても素朴で花輪やレースなどを編んで道ばたで売っていました。ぶらぶら歩いていると丘のずっと上に、民家を解放したカフェがあり、そこの庭で女性がパンを焼いているのが目に入りました。早速席を見つけて、ほうれん草入りのそのクレープの様なパン、ギョズレメとチャイをオーダーしました。トルコのレストランは美味しい焼きたてのパンが出て来る店が多いのですが、それでもここで食べたこのほうれん草入りのパンが一番美味しかったように思えたのは、かまどで焼けるパンのニオイと下に広がるシリンジェ村の景色のせいでしょうか。 なんとなく人がこの村に心を引かれるのがわかった気がしました。 帰りにお土産屋さんに寄ると、フルーツでできたワインやオリーブオイル、ザクロでできたモラシス、ハーブ入りの石けんなどが売られていました。いろいろ試飲して、ブルーベリーのワインとモラシスを手にもと来た道をバスに揺られて帰りました。おとぎの国にでも行ってきたかの様な夢気分でした。
6日目
10:00 AM: 今日は待ちに待ったエフィスの遺跡見学の日です。トルコの中でも指折りの古代都市遺跡で、私たちはこのためにこの地まではるばるイスタンブールから来たので、朝から少々気合いが入ります。エフィスには市バスで簡単に行けるのですが、主人がその先にある、聖母マリアが住んでいたという家にどうしても行きたいというので、今日はタクシーで移動です。ここでは毎朝11時から英語の礼拝があるので、それに間に合うように簡単なレンティルスープの朝食をすませ、朝10時に出発します。到着すると、今日はイースターの日曜日だからか、世界中からたくさんの人が訪れ、皆熱心に祈っていました。 1時間程の礼拝を終えた後、実際の家の跡地をお参りし、主人はそこから家族に絵はがきを出したりして、とても満足出来たようでした。
12:30 PM: 待たせておいたタクシーでついにというかやっとエフィスの遺跡に向かいます。着いてみると、もう既に観光バスがたくさも並んでいます。混雑している事を覚悟で中に入ると、遺跡は昔の街の跡なのでだだっ広く、人でごった返しているというより静かでのどかな雰囲気でした。でもハイシーズンになるとこの街が人で埋まるそうですが、今日こうして見ている限りではそれがとても想像できません。
でも確かに人々が世界中から訪れるわけです。古代の都市の跡がこんなに残っていて、実際にその間を歩いたり触ったり出来るんだから、博物館とは迫力が違います。大通りの両端に 競技場、図書館、大劇場、教会住宅地、浴場などが並びます。目を閉じて昔の街の人々の生活を感じ取ろうとすると、自分があの時代にタイムスリップしたかの気分になるくらいの大迫力でした。そういった意味ではベルーのマチュピチュを訪れた時の感動と似たものがありました。うまくは口で言い表せないのですが、その文明の偉大さを感じました。ありきたりの言葉ですが、来て良かったと思いました。
3:00 PM: エフィスを後に、帰りは約3キロの農道をぶらぶらと歩きながらセルチュクに戻ります。日差しがきつく暑い日だったので、時々木陰で休憩ししていると、農道と平行にある舗装されたアスファルトの道を大型観光バスが次々と走って行くのが見えます。そんな不釣り合いな光景を見ながら、今自分があのバスの中ではなく、こうして木陰で好きな時に一休みできる自由な旅をしていることを、改めてありがたく思うのでした。
セルチュクの町に到着し、まずはからからの喉をビールでいやし、腹ぺこのお腹を満たすためにあるレストランに入ります。ここは昨日の夜から一生懸命客引きをしている男の子がいるレストランで、今日必ずここに来ると約束してやって来ました。彼も私達を覚えているようでニコニコ顔で迎えてくれました。でも本当はもう一つ大きな理由がありました。それはパスタ好きの主人がずっと食べたがっていたトルコ風のラム入りラビオリ、マントゥを作ってくれる唯一の店だったのです。マントゥは大皿に盛られ、たっぷりのヨーグルトソースがかけられています。もっと癖があると思ったのですが、意外にさっぱりして美味しく、他に茄子とトマトの煮込み料理も頼んでお腹がいっぱいになりました。
5:00 PM: レストランを後にペンションで預けた荷物を受け取り、最終地イズミールへ向かいます。イズミール自体は地震や戦争のせいで歴史的なものがほとんど残っていないので、魅力的な街ではありません。私達の様に多くの観光客は、ここを基点に観光地を訪れために立寄ります。イズミールでは比較的治安が悪い所にホステルなどの安ホテルがあるので、トルコでの残りの2日間は、ホステルからホテルに格上げすることにしました。今回はなんと海沿いの10階建てのホテルでの滞在となりました。ちょっとバスターミナルで迷ってしまい、ホテルに到着したのは午後7時過ぎ。昼間に歩き過ぎたためか随分疲れていたのですが、それでも頑張ってシャワーを浴びて街に出かけたのに、海沿いの通り以外はとても静かでほとんどの店が閉まっていました。日曜日だからでしょうか?ホテルの前で水飴のような手作りの飴を買って、トルコ名物の10種類以上もあるトッピングをベークドポテトにのせた、クンピル意外には特に面白い発見もなく、コンビニでワインとビールを買い、ホテルに戻って来ました。トルコでも最近ワインブームらしいので、トルコ産の赤ワインを1本買ってホテルの部屋で飲んでみる事にしました。味の方は、まあまあでした。外はもう真っ暗ですが、窓からは街の明かりと海に浮かんだ船の明かりが奇麗でした。いよいよ明日はトルコ最後の日です。
7日目
7:30 AM: さすがホテルですね。朝食のビュッフェが料金に含まれています。というわけで、そんなことを考えていたら寝てもいられず、早々とレストランに向かいます。いろんなチーズとヨーグルト、ペーストリー、オリーブ、サラダ、焼きたてパンなどのおいしそうな物が並んでいます。毎日口にしていて、今日初めて気付いたのですが、トルコのオリーブオイルはさらっとして軽いのですが、味わいがとても深くとても美味しいのです。サラダやパン、チーズなどにたくさんかけて食べたのですが、お腹にずっしり感が少しも残らず気に入ってしまいました。こんなオリーブオイルだったら是非1本買って持って帰ろうと思いました。そんなことをいろいろと考えながら、何度も何度も戻って食べたい物を食べたいだけ食べ続けていたら、かなり食べ過ぎてしまったようです。いつの間にか、お腹がはち切れんばかりに一杯になっていました。
10:00 AM: 今日はいよいよトルコ最後の日ということで、あまりハードなスケジュールではなくゆっくりとした日を、というのが今日の目標でした。イズミールを拠点にいろんな興味深い場所を訪れることが出来るので迷いましたが、結果西欧人の夏の避暑地の一つチェズメ (Cesme) というエーゲ海沿いの街を訪れる事にしました。バスに揺られてしばらく行くと、途中から真っ青の海とオリーブ畑が広がる景色が主流になって来ます。そしてその間にオレンジの瓦屋根の白壁のバケーションハウスが並びとてもキレイです。バスに揺られること約1時間半、いよいよバスが終点に近づいて来たようです。この辺りから少しずつ下車して行く人達が増えてきました。 それで気付いたのですが、この辺りまで来たものの、私達は具体的にどこで何をするのかの予定、詳しい地図や情報など何もなかったのです。そんな時、バスで知り合ったトルコ人の建築家のおじいさんが、彼の建てているバケーションハウスを見学に行く途中だと言ったので、興味もあり、いっしょにそこで途中下車してついて行くことにしました。下車したそこは町のはずれのロータリーで、そこから海に向かって歩き始めました。まだ4月の終わりで本格的なシーズンは始まっていなく、レストランはほとんど閉まって、シーズンオフのリゾートという感じでした(実際そうなのですが)。海岸に出るとその景色は、まさに雑誌でみるようなエーゲ海の景色でした。エメラルド色の海に伸びた半島に白壁の家々が並んでいます。その建築家の家もその並びにありました。目の前は海で、なんとも贅沢なロケーションです。完成したら多分ヨーロッパ系の金持ちのバケーションハウスとして売られて行くのでしょう。値段はアメリカの高級リゾートとほとんど変わりがありませんでした。家の中も案内してもらった後、お礼を言ってその家を後に、また主人と2人で人気のない海岸線を歩き始めました。天気があまりにも気持ち良く、途中で岩の上に座り、しばらく何もしないでぼーっと座って海を眺めていました。
1:00 PM: 私達の旅は必ず食がメインになるわけですが、実はもう1つそれに劣らないくらい興味があるものがあります。それは温泉探しです。アリゾナでもベルーでもタイでもちょっと天然の露天風呂があると聞くと、必死で探しました(そういえば新潟、北海道、長野でもやりましたっけ)。ペルーでは2日もかけて、アリゾナでは腰まで水がくる川を渡り見つけました。どれも地図などの詳細がない場所なので、地元の人に聞きながら探し着くわけです。今回もそん噂を聞きつけ、街の人に何度も訪ねながらあちこち探しまわり、やっとのことで岩の防波堤の先に辿り着きました。本当にこんなところに温泉がっと半信半疑で歩いて行くと、若い大学生が4、5人タオルで体を拭いているのが見えました。一瞬嬉しい気持ちになり、ドキドキしながら近づいて学生に温泉のことを聞くと、海の中から温泉が湧いていると言うのです。早速手で触ってみると温かい水が湧き出ています。でも残念な事に、海水が流れ込んでくるので、水は生温く足をつっこむのがせいぜいといった暖かさのものでした。期待はしていなかったものの、ちょっとがっかり。その代わりに、学生と仲良くなり記念撮影。旅っていいですね。
2:00 PM: 温泉探しの後は、海沿いにある数少ない営業中のレストランの一つで、ビールとトルコ風のハンバーガーを食べました。なんてことないバーガーだったのかもしれませんが、エーゲ海を前に潮風に吹かれて食べるバーガーは格別の味でした。
3:00 PM: お腹も満足した後は、この町で知り合ったトルコ人に勧められ、昔のギリシア人の古い町が残るアラカティ( Alacati )というとてもステキらしいリゾートを訪ねる事にしました。そんなに興味もなかったのですが、他にすることもないし、今日は行き当たりばったりの旅です。ダメでもともとという気持ちで、ミニバスに揺られて目的地に向かいます。そして着いてびっくり、その町は本当にステキだったのです。白壁の町並みがずっと続き、ほとんどはお洒落なブティックやカフェになっていました。建物はほとんどが白で、ちょっとした装飾にラベンダーやブルー系の色が上手に使われています。そしてドアやサイン、窓の周りの細かい模様がきれいで、建築に興味がある私は、そんな建物を見ているだけでワクワクしてきました。建物がとても良い状態で保存されていたと思います。そしてこの町は地元の人も利用するので、シーズンオフの寂しさもなく、活気があって町を歩いていても楽しかったです。毎年夏には、ヨーロッパからのバカンス客であふれるのですが、それに加えてここ数年はサーファー達の数も増えているそうです。自分がいったいどこの国に居るのか一瞬忘れてしまいそうな、ステキな白壁の街をしばし散歩し、最終バスの時間が気になっていたので、暗くなる前に急いでバスターミナルへ向かいました。
7:00 PM: 夜7時の最終バスでイズミールへ戻ります。今日は目的のない、行き当たりばったりの旅でしたが、たくさんの人との出会いや交流、パーフェクトな天気や春の潮風のせいか、とっても満足のいく1日になりました。とくに主人はこういったのんびりした旅が好きなので、最高の一日になったようです。
イズミールへ戻り、旅の締めくくりと私の誕生日を祝って、昨日から目を付けていた地元の人に大人気のケバブ屋へ直行です。いろんな種類のケバブと前菜をオーダーし、最後の夜にラキで乾杯!
8日目
6:15 AM: 朝早くホテルを出て、イズミールの飛行場、アドナンメンテレス空港へ。ここからいったんイスタンブールのアタテュルク空港に戻り、そこからそのままNYのケネディー空港へ向かいます。朝食抜きだったので、イズミールの飛行場で、カフェに入り朝ご飯です。私はパンにチーズが挟んであるスィミットとチャイを、主人は赤ピーマンとトマトが入っているトルコ風のオムレツをオーダーしました。飛行場で食べる朝食だというのに、とても美味しく、特に主人のオムレツはジューシーで後を引く美味しさでした。この後も、イスタンブールの空港で残りのお金をかき集め、最後のトルコ料理を食べ、お腹がはち切れんばかりの状態で帰途につきました。
あっと言う間の8日間でしたが、子供達がいなかったからか、リラックスした中身の濃い旅になりました。今度は子供達もいっしょに旅行しようっと主人が帰りの飛行機の中で行っていましたが...。
帰りの飛行機の中で、トルコのビールをのみ、チャイをトルコにいた時の様に砂糖をたっぷり入れて飲んだのですが、もう既にトルコが遠い場所に感じられました。旅の終わりっていつもこんなもんですね。
楽しかったです。
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