今週のサンクスギヴィングを皮切りに、いよいよホリデーシーズンの到来ですね。なんとなく街がにぎわい始め、週末の道もいつもより込み合っている気がします。この時期になると、何故だかいつもより特別なものを買ってしまいたくなる衝動にかられるのは私だけでしょうか?店頭に並ぶ普段と違った珍しい物や綺麗なものに目移りしてしまい、気分的にも開放的になっているのかもしれません。こんな時期だからしょうがないんじゃないかと自分に甘くなり、ちょっと美味しいワインやチーズに手を出してしまいます。今日はそんな私のような方のために、いくつかの面白いチーズを紹介したいと思います。どれも簡単に手に入るものばかりです。
まずは今日紹介するチーズの中で一番スペチャルなチーズです。どんな風にスペシャルかといいますと、このチーズは春分から冬至前の期間に搾られたミルクのみを使用して作られたチーズなんです。ですからもちろん販売も期間限定になります。9ヶ月から12ヶ月熟成させ、去年のものが先月販売になりました。そして売り切れ次第販売完了します。これはRogue Creamery という会社の River blue cheese というブルーチーズで洋梨のブランデーに漬け込んだグレープの葉で包んで熟成させるので、その熟されたブランデー、洋梨、そしてキャラメルを思わせるかすかな味わいがとても複雑な味わいに仕上がっています。もちろん牛達もオレゴン州の壮大な自然の中、ホルモン剤挿入もせず、牧草を食べて育ったトップ級です。これはホールフーズの特別ケースの中にあり、お値段はパウンド38ドルと高いですが、めずらしいものに興味がある方は、お試しの価値ありです。
さて今度は今日紹介するなかで、一番値段が手頃なカジュアルなチーズです。多分ご存知の方も多いと思いますが、ノルウェーでお茶の時間やスナックとして食べられるイエトオスト(geitost)というチーズで、アメリカではSki-Queenという名で知られているチーズです。これは本当に不思議な味と食感を持ったチーズで、始めの一口を食べたらチーズなのかよくわからないどころか、美味しいのかどうかももよくわかりません。日本のプロセスチーズよりもっとやわらかくねっとりしていて、チーズの塩味とキャラメルの甘味をまぜあわしたようなとても複雑な味をしています。それが食べているうちにクセになってくるのですから不思議です。昔ノルウェーの農家でカード(凝乳)を作った後に残ったホエーを煮詰めたものをパンに塗って食べていたのですが、それにヤギのミルクとクリームを加えて作って出来上がったものがこのチーズの始まりらしいです。だからキャラメルの味がするんですね。確かに作り方を知れば、この味に納得がいきます。昔ノルウェーでホームステイをしていたという知人が紹介してくれたこのチーズ、ノルウェーでは朝食、おやつ、お茶のお供にと1日中クラッカーと共にサープされるようです。これは普通のスーパーのチーズコーナーで手に入ります。
今度はローカルなチーズです。バーモント州にある Vermont Cremery という小さな会社でフレッシュチーズ、バター、クリームなどを主に作っています。ここの商品は全般的におすすめなのですが、特にBonne Boucheという灰の中で80日間熟成することによってマイルドに仕上げたゴートチーズ、そしてCremont という山羊と牛のミルクを2週間熟成させた作ったクリーミーで酸味とコクが程よいユニークな味わいのゴートチーズの2種類です。どの商品も地元バーモント州のミルクで作られたとてもローカルな商品なので、是非その味を堪能していただきたいです。バターも値段が割と手頃で、美味しいく、これらは全てホールフーズやルソーで手に入ります。
最後はオランダのゴーダチーズです。ゴーダチーズは一般的にまろやかで柔らかいタイプのものが知られていますが、熟成を重ねるごとに味わいが凝縮され、甘さが加わったり濃厚になったりし、パルミジャンチーズのような食感に変わります。熟成されたゴーダチーズは名前が変わる場合があるので、店頭では見つけにくい場合あがありますが、私の好きなタイプはホールフーズでのみ扱っている Robusto という約9ヶ月熟成されたタイプです。これはその中にかすかに広がるキャラメルのようなコクと甘さが口の中でなんとも言えない味わいに変わります。またそれより熟成度が少ないParranoという約5ヶ月熟成したチーズもさっぱりとして食べやすいです。3年、5年と熟成されると味にどんどん深みがでていきますが、値段も高くなっていきます。なのでここで紹介したくらいのチーズが一番手ごろだと思いますが、興味がある方はいろいろと味の比較をして、好みの味を探してみるのも面白いかもしれません。
食べ慣れていない私たちには奥が深いチーズですが、いろいろ食べ比べてみると面白いものです。値段が高いものもあるので、無理をしない程度のものをほんの少し購入することをお勧めします。ホールフーズなどで既にパッケージになっているものも、言えば半分に切ってくれるので、思い切って声をかけてみると良いでしょう。些細なことですが、こんなことから普段の買い物に張り合いがでたり、ちょっとした楽しみができたりすると思います。私がトレジョでもらえる1杯のコーヒーが楽しみだったり、子供たちがホールフーズでもらえるスナックが楽しみだったりするのと同じような理由です。
どうぞ良いホリデーシーズンをお過ごしください!
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