最近お料理教室に通ってくれる皆さんが、マンハッタンへ遊びに出かける機会が多く、オススメをよく聞かれます。今日はそんな皆さんへ、私が好きな散歩コースの1つを紹介します。ハイラインに沿った、チェルシーからウエストビレッジ経由グリニッジビレッジまでの道で、ゴミゴミしていないので子連れの方にも比較的歩きやすい場所ではないでしょうか。もちろん私流のコースなので、ちょっとオシャレさに欠けてるかもしれませんが、これをベースに好みにアレンジしてみてください。
ハイラインは34丁目の10thアヴェニューと12thアベニューの間からスタートできます。この地図を参考に好きなところからスタートしてください。もうすっかりおなじみのハイライン。この不自然な高さから見るニューヨーク、そしてこの公園のデザイン性には、本当にいつ来ても脱帽です。
まず最初に立ち寄るのは、今後の行く末が未だに定かでない、作家や芸術家が滞在したことで有名な伝説的ホテル「Hotel Chelsea」にあるDoughnut Plant。本当はドーナッツではなく、ホテルを見て欲しかったのですが(歴史を感じます!)、せっかく来たのでドーナッツを1つ、でもコーヒーは我慢して、20丁目まで歩きましょう。
私の大好きなロサンゼルスのコーヒーロースターIntelligentsia Coffee のカフェがあります。コーヒーは美味しいのはもちろん、元神学校だった歴史的建造物を改造したホテルThe High Line Hotel のロビーにあるので、なんだか特別な気分になります。狭いロビーですが、最近モダンなカフェが多い中、こういった歴史的な空間で一杯飲むのもマンハッタンならではだと思います。半地下にあって、暗い雰囲気が妙に落ち着きます。できればホテルのチェックインチェックアウトで忙しい時間を避けて行きたいです。
一服したら、ハイラインへ戻りましょう。でももしひょっとしてお腹が空いていれば、Artichoke Pizzaのピザスライス、オススメです!
さらにまた15丁目あたりで、ハイラインから降りて、チェルシーマーケットへ向かいます。ごちゃごちゃ色々な店が入っているように見えますが、実はどれもマンハッタンで大成功している人気のショップ。日本にもあるFat Witchブラウニーや、人気のベーカリーAmy’s Breadを始め、フレーバーソルトやスパイス専門店、新しい店として中近東のゴマのお菓子ハルバの専門店Seed and Millなどがあります。小腹が空いたら、私のオススメはロサンジェルスからやって来たドイツのストリートフードBerlin Currywurstのカレー味のホットドッグ。とにかく、ゆっくり心ゆくまで探索してください。
もし和食が恋しくなったら、ここの西入口にある料理の鉄人で人気になったMorimotoのランチセットなんかもお手頃です。
このあと、暇だったら、私が海外で初めて一人暮らししたアパートがすぐ近くにあるので、ゲーム感覚で探して見てください(笑)。The Old Homestead Steakhouseの角にあるオンボロアパートの2階です。あの頃は治安が悪く、ミートパッキング地区というだけあり、本当に大きな肉専門のスーパーがあったり(店ごと冷凍庫のような)、トランスベスタイトがナンパしたりされたりの光景がそこら中で見られました(私にとっては、逆に今の光景のが信じられませんが)。
またハイラインに戻って、目の前にそびえるStandard ホテルの方へ向かうと、そのすぐ裏手に新しく引っ越して来たホイットニーミュージアムが見えて来ます。時間に余裕があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。現代アートに興味がなくても、レンゾ・ピアノの設計による建物を見る価値はあると思います。また、テラスからは違った角度から見るマンハッタンやニュージャージーの景色が綺麗です。
ミュージアムで少し疲れたら、ここの1階のレストランUntitleで休憩。値段は高めですが、期待しないで入ると凝った料理にびっくりします。小さめのプレートを1〜2品つまみながら、ワインを片手にリラックス。
ハイラインはこの時点で終了です。ここからはとにかく東西にぶらぶらしながら、南下しましょう。ウエストビレッジに入っていきます。7thアベニューより西側は碁盤の目になってないので、方向感覚を失ってしまいますが、それはそれで楽しいと思います。なるべく西側を歩いて素敵なウエストビレッジの住宅街を歩きましょう。
もし目的が欲しいなら、カップケーキで一躍有名になったマグノリアベーカリーや、私が以前住んでいたアパート(52 Bank Street, NY NY)を探してください。この辺りがなかなか観光では来ることのない素敵な場所だと思います。お腹が空いていれば(きっと空いてないでしょうけど)、Spotted PigやBuvette、もしくはこのあたりに潜んでいるこじんまりとしたレストランなんかの食事がオススメです。基本的にChristopher street, W12th Street, Hudson Street, 7th Aveに囲まれた地域をしばらく散歩して見ましょう。
そして十分この雰囲気を味わったら、ブリーカーストリート(Bleeker Street)を探し、この通り沿いに東に向かって、グリニッチビレッジに入って行きます。7thアベニューを超えると、すっかりまた元の賑やかなビレッジが広がります。ブリーカーストリートは東側にある有名なイタリア街よりもイタリア街として知られており、イタリア系レストランやショップが多くあります。中でも大手のMurray’s Cheeseによって、チーズやその他のグルメ商品を見て見ましょう。ちょっとしたお土産が見つかるかも。
6thアベニューを横切り、次の通りマクドゥーガル(Macdougal )ストリートを左に曲がって北上します。この通り、次の4丁目までは、今でもニューヨーカーで夜遅くまで賑わう人気な通りです。なぜだかエスニック系のスナックフードの宝庫で、昔はギリシア系のジャイロ、今はファラフェルやインド系の店が多くあります。中でもMamoun’sのファラフェルとThelewalaのChata Pata Paneer Rollは安くて、私のお気に入りスナックです。
またこの通り、スターバックス以前の時代にはイタリアンカフェが多くあり、NYUの学生や教授、Film Forumで映画を見た帰りの客などがエスプレッソを飲んでいて、ちょっとインテリな雰囲気があり、私にとっては憧れの通りでした(エスプレッソとチップがちょっと高すぎて)。今はそんなカフェもほとんどなくなり、唯一の(でもたまたま私が通っていた)Caffe Reggioしか残っていません。狭苦しい店内ですが、昔の風を感じられるカフェです。いつなくなってしまうかわからないので、時間があれば立ち寄って見るといいでしょう。
4丁目を渡ると(左手にブルーノートが見えます)、すぐ右手にワシントンスクエアパークの入口が見えます。昔はドラッグを売るホームレスのような人が多く汚らしかったこの公園も、今では見違えるほど綺麗になって、賑わっています。噴水の周りのベンチに座って、ストリートパフォーマースを見ながら、のんびりしましょう。この公園がちょうど5番街の終点で、グリニッチビレッジの中心、またあらゆるエリアへの起点にもなります。ここにある凱旋門のようなゲートの下に冬になるとクリスマスツリーが飾られて、それなりの趣があります。ちょっと想像して見てください!
ここからは、5番街を上がってミッドタウンへ、そのまま東のイーストビレッジへ、南下してソーホーへっと選択が色々あります。迷ったら、ポートランドからやって来たStumptown Coffeeでお茶でもしながら、ゆっくり考えてください。どちらに行ってもどう動いても発見のあるマンハッタンです。自由な時間を楽しんでください!
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