仕事のためにやってきたマンハッタン。もう深夜をまわっている。ちょっとした問題があり、ボストンで乗ろうと思ったバスに乗れず、次の停留所まで車で後を追っかけてもらったけど途中で見失い、急遽アムトラックの駅に送ってもらうなどと初っ端から大失敗。そうこうしてたらマンハッタンのペンステーションに到着したのは午後11時。それでも頑張ってビレッジのアーティチョークにピザを食べに行こうと思ったら地下鉄が全然来なく、結局あきらめてホテルに向かうことに。…でアップタウン行きの地下鉄に乗ってすぐに気づいて後悔したことが、ホテル周辺には食べる物が何もないこと。お腹はグーグーだというのに。そんな不安な思いで駅から通りに上がると、なんと昔愛用していたNYの街角に点在するファラッフェルの屋台がすぐに目に入り思わずうれしくなる。早速ファラッフェルを揚げてもらい、その間に走って迎えのCVSにビールを買いに走った。出来立てのファラッフェルにレタスとトマト、ピクルス、タヒニソースをたっぷりかけて、5ドル。20年前は確か2ドルくらいだったなっといろいろなつかしく思いながら、ホテルにチェックイン。熱々のファラッフェルサンドにかぶりつき、ビールをゴクゴク飲み干した。時計は既に深夜1時をまわっていた。
次の日、9時の待ち合わせ前に今日の仕事の準備をしようと7時起き。今日はマンハッタン1日でどれだけのことができるかが勝負なので、念入りに作ったスケジュールが左右する。1階にあるPomme Palais Bakeryでコーヒーとクロワッサンを買ってホテルの部屋に戻った。部屋の前に置かれたNYタイムズを見て、ここに住んでいた日々をちょっと思い出してなつかしくなった。値段は少々高めだが、クリスピーでとても美味しいクロワッサンを食べながら今日の予定を予習。そしてしっかりお風呂に入って、準備万端。チェックアウト。
9:00 am: Lower East Side, Manhattan
アップタウンを出発し、まずは、ローワーイーストサイドへ。
Delancy 駅を上がってすぐ目に入ったEssex Street Market に立ち寄る。コミュニティー用のマーケットだが、それに混じって今話題の店がいくつか入っている。その一つに、ケープコッドからやってきたPain D’avignonがある。イーストリバーの向こうロングアイランドシティーで焼かれ、ここまで毎朝配達される。マンハッタンではこことプラザホテルのみだが、ケープ店には朝食から夕飯までサーブするカフェもあるとても美味しいパン屋さん。お次は、この辺りまで来たら立ち寄らずにはいられない、創業1937年のEconomy Candy。今ではなかなか目にすることのできないレトロ商品を含めたアメリカ中のキャンディーが集まっている。観光客に混じった長年愛用者であるお年寄りがキャンディーを計り買いしている光景を見ると、一瞬だけでも歴史を垣間みているような気がしてくる。お土産用のキャンディーをゲットし探索を開始すると、今とても人気でヒップなPok Pokというタイレストランの前を通り過ぎる。もちろんこの時間は開いていないが、いつか食べてその人気の秘訣を知りたいものである。そのまま歩き着く先は、いつきても美味しいドーナッツ屋、Donuts Plant。何個か袋に詰めてもらい、再び歩き始める。途中で通りがかったEl Rey Cafeで休憩。Counter Cultureのコーヒーを使ったカフェで、この辺りでは比較的ゆっくり座ってお茶ができるスポットになる。近所にある Morgenstern’s Ice Cream と同じオーナーで、ここのアイスクリームは素材の味を生かすために卵が使われていなく、また脂肪分と砂糖も控えめにしている。その場で生クリームからウィップしてくれるなど、味にこだわったアイスクリームパーラーである。
さて休憩を終え角を曲がると、ローワーイーストサイドの一番目的Katz’sデリが見えてくる。何十年振りだろう?外見は何も変わってないのに、こんな朝早くから観光バスも停まる賑わい。そんな変わりように驚いたが、中に入ると外見同様昔とほとんど変わらない内装でちょっと安心する。有名なパストラミサンドイッチとサイドにブリスケットを1/4lbオーダーし、席を見つけて口にする。さすが込み合うわけで、素直に美味しいと思った。確かにわざわざ来る価値はあるかもしれないこのニューヨークデリ。ただ注意したいことは、入り口で入る人全員に渡される整理券はオーダーする時に必要だが、使用しなかった券も(まとめて一人がオーダーした場合など)店から出る時に回収されるので捨てないこと。券が無いと50ドル徴収されることになる。ただ食い防止のためとは言え、もっとフレンドリーなサービスを提供してほしいものだと思った。というのも私の整理券が帰りになかなか見つからなかったからだ。さてそんな有名カッツのお隣は幸か不幸か、人気のジャラート屋さん。Il Laboratorio del Gelato と言い、スーパーで買えるChiao Bella の創始者によるジェラートショップである。地元の素材を生かし少量を手作りしているだけあり美味しいく、ジェラートにしては濃厚でとてもスムーズな後味だ。カッツの後にここのジェラートを食べる予定なら、あらかじめそれを考慮に入れて注文しよう。
Noon: Williamsbarg, Brooklyn -Smorgasburg Market-
Smorgasburg は今日一番の目的地。なんといってもブルックリンのあちこちにちらばった美味しい味が夏の間の週末のみここに集結するので、グルメには見逃せない最高のスポットである。いろいろ食べたい人は長蛇の列を避けるためにも、オープン同時の11時に入ることをおすすめする。また土曜と日曜はロケーションが変わるのでサイトを要確認。
話題の店:
Red Hook Lobster Pond: Red Hook にあるロブスター屋が作るロブスターロール
Asia Dog: アジア風のホットドッグ
Bolivian Llama Party ボリビアの少し甘いエンパナーダ、ソルテーニヤスが癖になる味
Blue Bottom Coffee アメリカ3大ロースターのコーヒー
Takumi Taco 和風のタコス。ゆず入りのサルサなど、意外に美味しい
Solber Pupusas エルサルバドル版のトルティーヤ。メキシカンが好きならおすすめ。
Schnitz ドイツのポークカツのサンドイッチいろいろ
Ramen Burger アメリカ人にとっても人気の幻のラーメンバーガー。
Porchetta イーストビレッジでも人気のイタリアのストリートフード的な存在、スローローストポーク、porchetta。とろけるような柔らかい肉は、ポーク好きにはマスト。
People’s Pops 私の大好物のアイスポップ。いつどの味の組み合わせを食べても美味しい。
mofonGO プエルトリコの料理でプランテーンをつぶして生地にし具を詰めたもの。
Mighty Quinn’s ニューヨーク1、2を争うBBQ屋。レストランもなかなか並ばずにはありつけないが、ここも同様。真っ先に並びたい店の一つ。
Grady’s Cold Brew 以前にブログでも紹介した、ニューオーリンズのチコリー入り水だしコーヒー。ミルクをたっぷり入れ、必ずシロップを加えて飲むこと。これがニューオーリンズ流。
Dough 私の大好きなドーナツ屋。わざわざ行くには遠いブルックリンのロケーションのため、ここでありつけるとはありがたい。
3:00 pm: Williamson, Brooklyn
せっかくこの辺りまで来たので、お決まりのコースを通ってBedford駅へ戻る。
OddFellos Ice Cream 以前、ブログにも書いた、面白い味の組み合わせで有名なアイスクリーム屋。
Mast Brothers Chocolate 店内に入るなりカカオの匂いがプーンとする、カカオの質や原産国にこだわった最高の本格チョコレート。
Blue Bottom Coffee サンフランシスコ発のアメリカ3大ロースターの1つ。水色のロゴがかわいらしい。週末に通りかかるのは初めてだが、長い列ができていてぴっくり。
The Meatball Shop マンハッタンにもいくつか店舗を構えているため期待していったら、お味の方はそうでもなくて少々残念。いろいろなミートボールとソースが選べるというコンセプトはいいのだが。
4:00 PM: East Village, Manhattan
マンハッタンに戻り、イーストビレッジへ。美味しそうなフレンチフライ専門店Pommes Fritesを横目で見ながら、大好きなAbraco Esspressoでコーヒーブレイク。イーストビレッジ7丁目は美味しいものがいっぱい並んでいる。ブルックリンのSmorgasburg Marketにもあったアイスポップの店People’s Pop、その横にはベネゼーラのサンドイッチ的存在アレパ専門店Caracas Arepa Bar、その向かいにはSmorgasburg Marketにもあるイタリアローストーポークの店Porchettaがある。そして以前紹介したが、二人のゲイが始めたフレーバーが面白いソフトクリームの店Big Gay Ice Cream。一番人気のSalty Pimpは、バニラソフトにキャラメルソースと塩を振りかけた後にチョコにディップされる。アイスクリームやジェラートの店が増える一方で、ソフトクリームに重点を置いたのが良かったのか人気のある店である。イーストビレッジ最後は、今流行のソフトプラッツェルが美味しくて有名なレストランバー、Sigmund’s Soft Pratzell。これは実際にとても美味しく、ウェイターのおすすめのオリーブフェタチーズ味は本当に美味しかった。これで作られたサンドイッチもとても良く、ビールのセレクションも豊富である。気の良いボストン出身のバーテンダーとの話もはずみ、楽しい時間をすごしたイーストビレッジの夕方。
7:00 PM: Norita, Manhattan
イーストビレッジをそのまま下り、ハウストンストリート沿いを歩いてNoritaへと向かう。小雨が降ってきたので、ホールフーズに入って商品をチェックしながらぶらっとした後、マンハッタンで最も人気の高いファラッフェル専門店taimへ急いだ。ほど良くアメリカナイズされている味が受けている美味しいファラッフェルの店。こんな店がボストンにもあったらなっといつも思う。日も暮れだしマンハッタンもディナー客が目立ち始めてきた。天気が悪いせいもあり、空がいつもより早めに暗くなって来る。最後の目的地は、ハーブで作るカクテルがお目当てのボタニカルカクテルバーだったが、なんとつぶれてしまっていた。流行り廃りの早いマンハッタンとはいえ、がっかり。特に今日の最後をカクテルで終えようと思っていたので口がさみしい気がしたが、次の場所に行き着くには時間的にも体力的にもリミットの夜8時。ここで1日が終わった。振り返るととても長く有意義に感じられる1日だったので、今日の1日は成功だったと思う。偶然にもファラッフェルで始まりファラッフェルで終わった私のNY滞在。自分がファラッフェルファンであることを改めて確信。また近いうちに戻ってきたいと思いながら、我が家のあるボストンへ急いだ。
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