ロードアイランドは小さい州なのに、皆に知られていない面白い食べ物がたくさんあります。そしてボストンからとても近いので、日帰りで食べ歩きの旅ができ、是非足を伸ばしてみたい場所の一つです。別のブログには、 ”ロードアイランドの特産物”について紹介したページもありますので、興味のある方は是非一度読んでみて下さい
今年の父の日は、いろいろ考えた末、子供達からのプレゼントは ”ロードアイランドグルメの旅” に決まりました。前から訪ねてみたかったロードアイランド州にあるグルメの店と、子供達が楽しめるような場所を組み込んだ旅のルートを作り、その旅をプレゼントすることにしました。ただ多くの店は日曜日が休みだったので、1日前の土曜日に行く場所を書き込んだ地図をプレゼントとして手渡し、この旅を実行しました。今日はその時の旅の紹介です。
今日訪れる店は、長い間地元の人達に親しまれてきた伝統ある店ですが、決してどれもが私達の口に合うわけではありません。地元のある種の移民達の間で、またある層の人達の間でのみ親しまれている物もあります。いわゆるジャンクフード的な物もあります。でも私は味を問わず、長い間人々に親しまれてきた物には、とても興味をそそられてしまうのです。自分が知らない味に出会う事は、私にとっては何よりの発見です。今日はそんなグルメの旅の紹介ですので、ご了承下さい。
6月18日、2011年
7:00 AM: 全ての予定をクリアーするためにも、週末なのにとっても早起きです。朝食抜きでコーヒーを片手に、Cranston にある Zaccagnini’s Pastries Inc へ直行します( Pawtucket にある同名の店とは関係がありません)。ここは伝統的なボルトガル風ペーストリーを昔から作っています。お店に着くと、こんなに朝早いのに、次から次へと客が入って来ては、大きな箱一杯のペーストリーを買って、忙しそうに帰って行きます。私達は店内に入るなり、あまりの種類の多さに驚いて、何を買って良いか困ってしまいましたが、結局ロードアイランド名物のピザストリップと、店員さんに勧めてもらったペーストリーを2種類買いました。ピザストリップとは、厚めの生地にトマトソースのみがかかった、一口サイズの長細いピザで、室温で食べます。 ちょっと小腹が空いた時に、ちょうどいい感じで、それなりに美味しいと思いました。ペーストリーの方は皮がパリッとして、中のクリームも甘すぎず、見た目よりあっさりしていて、とても美味しかったです。 後から知ったのですが、この店はデニッシュも有名だそうで、トライしなかったことが少々心残りでした。
*このブログを書いた後で、この店を再び訪れる機会があり、デニッシュを食べました。普通のアメリカで食べる物より、甘さ控えめで、特にチーズデニッシュがとってもお勧めです。
8:30 AM: 多少の腹ごしらえをし、今度は Fall River へ向かいます。ここは地理上マサチューセッツになるのですが、ロケーション上、どちらかというとロードアイランドに近い文化を持っています。ここは今でもテキスタイルのビジネスが多い歴史のある街なので、市街地をゆっくりみてみるのも面白いかもしれません。でも今日はイギリス風のミートパイを買うために立ち寄るので、Hartley’s Original Pork Pies へ直行します。朝6時からオープンしていて、私達が着くと、すでにたくさんの人でにぎわっていました。ここは1900年代の始めの頃から経営している老舗で、パイは新しい味が加わったけれども、昔ながらのいたってシンプルなレシピで、どれもとても美味しいです。やはり一番人気はポークパイらしいですが、他にもいろんな種類のパイやピザ、その他のロードアイランドっ子の大好きな物がいろいろと売っています。品物が売り切れ次第、お店は閉まってしますので、早めに行くとよいでしょう。冷めても美味しいので、ここを通りかかった時にお腹が一杯でも、お昼やスナック用に是非買っておくことをお勧めします。
9:30 AM: イギリス風のパイの後は、同じ Fall River にある中近東風のベーカリー, Sam’s Bakery へ。エスニック料理が苦手な人には不向きな店かもしれませんが、焼きたてのピタパンやほうれん草のパイはとても美味しいし、その場で作っている様子が良く見えるオープンなお店は、見ていても楽しいです。私達はここで何種類かのパン類を、ビーチで食べるランチ用に購入しました。
10:30 AM: Fall River を後に、次は Little Compton にある Commons Lunch というダイナーにコーンの小麦粉から作るパンケーキ、Johnnycake を食べに向かいます。ここは多分ロードアイランドで最もジョニーケーキが有名なお店の一つだと思いますが、店内は割と広いので、すんなりとテーブルに座れました。普通のふわふわのパンケーキに慣れている私達には、ちょっと歯ごたえが気になるかもしれませんが、よく噛むと味わいがあって、癖になるパンケーキだと思いました。ジョニーケーキは午後1時以降はサーブされないので、早めに行く事をお勧めします。
12:00 PM : そろそろ子供達も食べ歩きに飽きて来た頃なので、この町にある South Shore Beach というタウンビーチへと向かいます。このビーチは以前プライベートだった Goosewing というビーチに続いて行きます。ここは白い砂浜が少なく、石がごろごろしていますが、子供達が水遊びをしたりちょっとリラックスするには、手頃なビーチだと思います。この辺りは夏のリゾート地が多く、夏の住人達の多くはプライベートビーチに行くので、このパブリックビーチに来ている人達は昔からこの辺りに住んでいるロードアイランドっ子が多いようです。ビーチで寝転んでいると、そんな下町の雰囲気をなんとなく感じられました。
3:30 PM : しばらく遊んで子供達も大満足したようで、また食べ歩きの旅を開始します。今度は同じ町にある Sakonnet Vineyards というワイナリーへ向かいます。ロードアイランドとマサチューセッツが交わるこの地域はいくつかのワイナリーがあります。そんなに美味しいわけでもないのですが、この地域ではめずらしいので、私達は時々この辺りのワイナリーに遊びに来ます。だいたいどのワイナリーも5ドルくらいで何種類かのワインが試飲でき、レストランも備えてあるので食事もできます。私達がワイナリーが好きな理由は、そこにある広々とした敷地です。大人は買ったワインを木陰で座って飲みながら、子供達が芝生の上を走り回るのを見て、のんびりくつろげます。こんなことはバーに居てはできませんから、なんともいえない贅沢です。そんなわけで、ワイナリーに行く時は、ボールやフリスビーなどの遊び道具やピクニックの準備などをして行くと、ゆっくりできて良いと思います。今日もしばし、幸せな時を過ごすことが出来ました。
5:30 PM : 思いっきり緑の上で転げ回った後は、元来た道を Tiverton まで戻り、Gray’s Ice Cream へ向かいます。ここは1923年からアイスクリームを作っているというとても古いアイスクリームパーラーで、アメリカで最初にコーヒーアイスクリームを売り出した店と言われています。 昔風のアイスでちょっと私には重たい感じですが、もしここを訪ねる事があったら、最近ではみかけなくなったロードアイランドの名物 、Coffee Cabinet をオーダーすると良いでしょう。これはコーヒミルクとコーヒアイスクリームで作ったミルクシェークの様な物で、ロードアイランドならではのものです。 また Tiverton から Little Compton までの道はかわいらしい家が多く、海も見渡せ、ドライブコースとしてもお勧めです。
6:30 PM : 甘い物を食べたら、すっかり眠くなってしまいました。子供達は車で爆睡です。私達は静かな時間を楽しみながら、最後の目的地に向かいます。最後の食べ納めはロードアイランドの名物中の名物、New York System Wieners です。これはロードアイランド風のホットドッグで、普通のホットドッグとの違いはというと、ソーセージが牛と豚肉のミックスでできていて、ホットドッグ用のパンが蒸してあります。そしてソーセージの上にミートソースとタマネギのみじん切りがかかってサーブされます。サイズが普通のものより小さいので、たいていはこれを2、3個とフレンチフライ、そしてロードアイランド名物のコーヒーミルクをセットで頼みます。このホットドッグはいろんなところで食べられるのですが、最も有名なチェーン店は、Olneyville NY System でしょう。私達もここの店へ行って、このセットをオーダーしました。 Cranston にあるこの店の場所も店の雰囲気も決して良いわけではありませんが、とてもアメリカ的な雰囲気が漂っていました。うちの近所ではメニューにもないコーヒーミルクを、車で1時間程しか離れていないこの町では、当たり前のように皆がオーダーしていたのが、なんとなく不思議でした。客の雰囲気のせいか、なんだか遠い昔へ戻ったような気分がし、美味しい物を食べたというよりは、貴重な体験をしたような満足感で、レストランを後にしました。
レストランを出る時に、コーヒーミルクをもう1つテイクアウトし、車の中でシェアしながら、今日1日の出来事について、いろいろとおしゃべりをしました。なんだか慌ただしい1日でしたが、楽しい日だったと思います。辺りも暗くなる頃、自宅に戻り、食べ歩きの旅が無事に終わりました。主人は1日中運転で疲れたようですが、子供達が喜んだし、まずまずの父の日であったのではないでしょうか?下町風の良きロードアイランドを感じることが出来た良い旅でした。
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