前回のブログの続きになります。「ベーキングパウダーと重曹の違い」を読んでない方は、最初に読んでみると参考になると思います。
以下の記事は、雑誌Gingerのホームページspark-gingerの連載記事更新から抜粋したものです。
【プロレシピ】化学反応+メレンゲで絶対に成功する、アメリカ風ふわふわパンケーキの作り方
日本にすっかり定着したNYの「クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー」や、ハワイの「エッグスン・シングス」のようなアメリカ風のパンケーキ。その魅了は、ふわふわしているけど、日本のパンケーキに比べたら少しずっしり食べ応えがあるところでしょう。
伝統的なパンケーキレシピは山ほどありますが、今日は我が家で20年以上も作り続けている、美味しいと保証付きのレシピと、作り方のコツを一気に公開します。レシピ同様に大事なのは焼き方。作っているうちに段々コツが掴めてくるはずですので、この機会にぜひマスターしてみてください!
食感のカギを握る食材は「ヨーグルトやバターミルク」。そして、あのふわふわ感を生み出すために必要となるのが「重曹」と「べーキングパウダー」です。
ヨーグルトやバターミルクの中にある酸味が重曹と反応することで、グルテンを分解して、きめ細かいパンケーキを作り出します。詳しい理由は「ベーキングパウダーと重曹の違い」を参考にしてください。
化学反応でふんわり美味しいパンケーキが出来上がるのですが、さらにそのふんわり感を安定させるために、ちょっと面倒でも卵白を泡立ててから加えましょう。卵白はしっかりツノが立つまで、泡立てて。ふんわりしっとり、でもしっかりの大満足のパンケーキが完成します!
化学反応を使った「パーフェクトなパンケーキ」
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Ingredients
- 中力粉(All purpose flour)250g=米計量カップ2カップ(薄力粉と強力粉を半々にして代用)
- ベーキングパウダー小さじ2
- 重曹(ベーキングソーダ)小さじ1
- 塩小さじ1/2
- 砂糖大さじ2
- 冷ました溶かしバター大さじ2
- ヨーグルト360ml
- 牛乳120ml
- バニラエッセンス小さじ1/2
- 卵3個
Instructions
- 中力粉から砂糖までをボウルに入れ、泡立て器でさっと混ぜる。
- 別のボウルに溶かしバター、ヨーグルト、牛乳、バニラエッセンス、卵黄を泡立て器で混ぜ合わせる。別のボウルに卵白にツノがたつまで泡立てる。
- 1と卵黄液をザックリと、粉が見えなくなる程度に混ぜる。混ぜすぎるとグルテンが出て、膨らまずかたくなるので注意する。
- ここにメレンゲを泡が消えないようにザックリ混ぜる(完全に混ざってなくても良い)。混ぜたら生地が反応して膨らんでくるので、すぐに焼き始める(時間が経つと膨らまず、美味しくない)。
- 底が厚めのフライパンを中火にかけ、バターかサラダ油(分量外)を熱し馴染んだら、1枚につき大さじ4を目安に生地を流し入れる。
- 表面にプツプツと穴が見えてきたら、裏返し(必要なら温度を少し下げ)中まで火を通す。
- 皿に盛り、好みでバターを乗せ、メープルシロップをかける。
Notes
ヨーグルト360mlと牛乳120mlの代わりにバターミルク480mlで代用可。
高桑あかね
化学のレポートで、ホットケーキミックスを使ってホットケーキを作る時に水を使うともちもち、牛乳を使うとふわふわにできる理由について調べています。もしよろしければ、それについて教えていただけないでしょうか?
YokoDesign
パンケーキをふわふわに膨らませるには、重曹(ベーキングソーダー)に液体と酸性成分を加え、炭酸ガスの泡を発生させる必要があります。 牛乳は酸性成分を含むので泡を発生させパンケーキを膨らませますが、水は含まないので、化学反応が起こらず、ふわふわのパンケーキに仕上げることができません。
ちか
とても勉強になります!ありがとうございます。わたしはヴィーガンのパンケーキを焼いているのですが、アメリカのレシピ本でベーキングパウダーとヴィーガンバターミルクを使うものがあります。(ベーキンソーダはなし)ベーキングパウダーには既に酸が入っているのに何故だろう…と思うのですが、理由がお分かりになりますか?また、そのレシピでは「グルテンを休ませて、ベーキングパウダーとバターミルクの酸を落ち着けるために」生地を10分寝かすとあります。これはあまり意味がない(むしろマイナス?)と思うのですが、ご意見を伺えれば幸いです。よろしくお願いします。
YokoDesign
ちかさん、コメントありがとうございます。この場合のバターミルクの使用目的は、化学反応というより、よりしっとりしたコクのあるパンケーキを作るためだと思います。バターミルクにはそんな働きもあるんです。グルテンを休ませることに関しては、説明が長くなりますが・・。パンケーキミックスは混ぜすぎないのが大事ですが、よく混ぜないと水分に溶けない小麦粉が残ります。でもそこで少し休めると、混ぜすぎにそれを可能にできます。そうするとベーキングパウダーも全体に行き渡り、よりふわっとした仕上がりになるという理屈です。