先日ブルックリンのグリーンポートにある話題のスカンジナビア系カフェ”Budin” で10ドルのカプチーノを飲んできました。場所は昔よくポーランド料理を食べに行った(そしてそれ以外何もなかった)ブルックリンのグリーンポート。ヒップになりつつあるエリアの1つです。
北風が吹く寒い中地下鉄の階段を上がると、なんでこんなところまでやって来たんだろう?とおもわず自分に問いかけてしまいました。多分スカンジナビアカフェという新しい響きへの憧れ、アメリカでは異常に高い10ドルというカプチーノへの興味、そして一番大きな理由はそのカプチーノが私の大好きなアニス入りという物珍しさ。再度納得すると、いざ店内へ。
店内はオープンで白木にダークブルーのアクセントがあるクリーンなデザイン。客層なのかインテリアのせいなのか、なんとなく北欧という雰囲気が漂っています(行ったことありませんが)。そして客がたくさんいるのにもかかわらず中がシーンとしていて、一瞬戸惑いを感じてしまいました。さっと横目で見る限りでは良い席がなかったので、おもいきってカウンターに座ることにしました。すると定員さんはアメリカでは珍しいくらいにとてもフレンドリーで、気持ちを取り戻した私は迷わず例の10ドルカプチーノ( Budin licorice latte ) をオーダーしました。
すると真っ白なコーヒーカップと銀のトレーの上に何種類かの容器が用意されました。容器の中は、それぞれデンマークから輸入したアニスのシロップとフレッシュなリコリスの粉、そしてノルウェーでローストされたエチオピア産のコーヒーで、これらを使ってバリスタがそれはそれは真剣に丁寧に作ります。しばらくしてマスターピースが出来上がると、アニスオイルから作るリコリス菓子入りトリュフと共に銀のトレーに乗せて丁寧に私の前に置いてくれました。一口飲むと、アニスのシロップがほんのり甘くてまさに私好みの味。静かで暖かい店内で一人ゆっくり飲む贅沢さを味わいながら、すっかり北欧気分。やっとこの時、わざわざここまで来た甲斐があったっと安心できました。
店内には他に北欧グッズも売っており、そこにこのカフェを紹介した日本の雑誌も見つけました。さすが、日本人、情報が早いですね。
ちなみにアニスとリコリスをご存知でない方、これらはどれも八角に似た独特の香りをもった植物で、ヨーロッパでは料理とくに焼き菓子に使ったり、食前食後に飲む甘いお酒を作ったりします。私が特に好きなお酒はイタリアのサンブーカで、エスプレッソに入れて飲むととっても美味しいです。
ニューヨークから戻りしばらくした今日、寒さも一層増して来たボストンの自宅でこのコーヒーのことを朝から考えていました。そうしたらいてもたってもいられず、唐突に家にあるものを使ってあの味を再現することに決心。アニスの種をさっとローストしてコーヒーに加え味を浸透させ、それにブラウンシュガーを少し加えてみました。なんとなく白砂糖よりしっくりくるような気がしたからです。期待しないで一口飲むと、Budinのコーヒーを思い出してしまうほどの上出来。あまりに美味しかったので、そのままブラックで飲んでしまいました。アニスの種をローストした後、グラインダーで粉にしてコーヒーに混ぜてドリップするという方法もありかなっと思います。今度はそちらで試してみます。
アニスの味というのは私たち日本人には苦手な味かもしれませんが、もしこういった香りが好きな方やチャレンジャーな方がいれば、そういった方には是非お勧めするコーヒーです。アニスがなければ八角でも良いと思います。
このコーヒー、ボストンの長い冬に重宝しそうです。夜にはサンブーカも少し加えて!
- コーヒー 大さじ2杯
- 水 240ml
- アニスシード 大さじ1杯
- ブラウンシュガーや三温糖 好みの量
- 牛乳
- アニスシードをフライパンで良い香りがするまで1分ほど乾煎りする。
- アニスシード、水、コーヒーを鍋にいれて沸騰直前まで熱し、火からおろし5分ほど浸透させる。2を濾して、好みでブラウンシュガーや牛乳を加えてサーブする。
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