今年の3月に日本へ1週間遊びに行った時に行った、奈良の旅のブログを今更ですが、更新します。すっかりアップするのを忘れていました。今は梅の代わりに、ちょうど紅葉が季節な頃かもしれませんね!
日本の歴史で言うと、一番好きな時代が飛鳥時代だった私。なんとなく平和で神秘的なとこがそんな理由です(日本史の教科書で一番簡単だったというのもあるかもしれませんが)。
だからか奈良が昔からとても好きです。今でもそんな飛鳥時代のロマンスを感じられる、落ち着いた土地柄の奈良が。特に市街地から離れると、驚くほどの自然に包まれ、あの時代もこうだったのかなっと思えてきます。
そんな奈良に久しぶりに行ってきました。
実家の愛知県を朝早く出発し、月ヶ瀬を経由して奈良へ向かいます。
月ヶ瀬
高校生の頃にとても印象的だった月ヶ瀬の梅。もう観光地化されて全然良くないという弟の言葉を聞きつつも、奈良までの通り道だし、かろうじて梅もまだ咲いているということなので、行ってみることにしました。もうあれから30年以上。
静かな町を抜け、細い山道に車を停め、不安な気持ちで斜面を切り開いてできた新しい公園を抜けてしばらく行くと、突然記憶の中にあるそのままの景色が目の前に広がりました。梅の季節も終わりかけていたからか、シーンと静まりかえっていて、遠い記憶が一瞬にして蘇ってきました。今思えば、あの日が家族だけが揃って行った最後の旅行だったのかもしれません。私たち子供がそれぞれ巣立って行く前の。だからこの場所がこんなに思い出深いのかもしれません。ポカポカ暖かい日でした。
良かった、思い切って来てみて・・忘れかけていた大切な記憶の一部を取り戻すことができました。
室生寺
奈良時代に建てた寺院から始まり、のちに女人禁制だったこの高野山で、唯一女性の参詣が許されたことから「女人高野」とも言われています。シャクナゲで有名ですが、車がないとちょっと不便な山奥にあるせいか、普段はひっそりしています。そんな静けさと山との調和が魅力の室生寺。両親のお気に入りのお寺で、私のお気に入りにもなりつつあります。小雨が降って来て、さらに神秘的な雰囲気が漂ったこのお寺で、空気をいっぱい吸って、気持ちの入れ替えができました。
お昼に室生寺入り口付近にあるお食事処に入りました。しばらくして運ばれて来た御膳には、この辺りで取れる野菜を素朴に料理した品々がたくさん並んでいます。いわゆる日本のファームトゥーテーブルだな〜と、感心しながら食べ始めると、旬のとれたての美味しさが詰まった料理は、どれもとても美味しく、山菜に飢えていた私には何よりのご馳走でした。特にじょねんじゃ入の味噌汁は・・格別でした。
長谷寺
室生寺から車で30分ほど行くと、長谷寺があります。ここも比較的静かな佇まいなのですが、室生寺から来るとなんとなく栄えて見えました。入口の渡り廊下を歩いて、境内に。まずはお参りをします。たくさんいる仏像の前に正座して、自分の日々の生活をちょっと振り返って見ます。
することをした後は、気になっていた舞台からゆっくり景色を眺めます。少し霧がかかっていたせいか、とても神秘的でまるでタイムスリップしたような気分。実は私は小さい頃から家族旅行で、よく京都や奈良のお寺を見て歩いたので、たまにこういった所に来るととても落ち着きます。しかも今回は子供が一緒でないので、なおさらのこと。誰に邪魔されることなく、心ゆくまでゆっくり空想の世界に迷い込んでいました。
お寺を参拝した後は、参道に並んだお土産屋さんを見ながら、名物の草餅と柿の葉寿司を買い、周辺の町をブラブラと散歩しました。お寺もそうですが、町自体も古い家が多く、とても立派です。
そんなこんなで日も暮れ始めて来たので、旅館へ向かうことにしました。
旅館
今回のお宿は、純日本風の旅館。静かで良かったのですが、本当にやることが何もなくて、9時には消灯。でも畳の上に敷かれた布団の上で、親子3人、あっという間に眠りについてしまいました。たくさん歩き回ったから、疲れていたのかもしれません。
話は変わりますが、この旅館、以前旅館をやっていた私の育った家に作りがそっくりで驚きました。中庭や渡り廊下の感じがまさにそうで、私が高校生の時に壊してしまった家を思い出すことができました。開けにくいガラス窓や隙間風の多い嫌いだったところも、懐かしさのあまりに味に見えてきましたが、もちろんたまにだからそう見えただけなのも、わかっています。
法隆寺
奈良と言えば法隆寺。修学旅行以来、あまりにも有名な場所だから、あえて選んで来なかったお寺。でも久しぶりに来たら、やっぱり国宝級だけあって立派でした。春分の日を明日に控え、お飾りの準備をしたり、掃除をしたりと皆さん忙しそう。また違ったお寺の姿を見学できました。夢殿に向かう途中では、椿がたくさん咲いて綺麗でした。今度またいつこの時期に帰国できるかわからないから、見るもの全てをしっかり心に焼き付いておこう!
休憩
夢殿を後に、裏門から外に出ると、古い家を改造して作られたカフェ、鍼灸 ZADANを発見。コーヒー好きの両親と一緒に、もちろん迷わず直行します。ゆったりしてとても落ち着いた雰囲気で、丁寧淹れてくれたコーヒーは自家焙煎というだけありとても美味しく、窓辺の特等席に座りながらゆっくりしました。まだ肌寒い春に、窓からさす日がとても気持ちよく感じられました。
コーヒーの後、少し東大寺の周辺を正門に向かって散歩すると、センスの良いレストランやカフェが他にもいっぱいあって、素敵でした。こんな風に古い民家を上手に改装して使っているのを見ると、嬉しくなります。
そんなレストランが気になりながらも、両親が以前来て気に入ったという定食屋さんを探す為に、まっすぐ車に戻りました。
ランチ
車で5分くらい行くと、住宅地の中に探していた北小路を発見(考えたら、夢殿から歩ける距離です)。よく覚えていたなっと思うくらい特徴もないとこにありますが、中に入ると、もう席はほぼ埋まっていました。でもなんとか無事に座ることができ、即両親オススメの小路定食という650円の日替わり定食をオーダーしました。ごく普通の定食なんですが、でも意外に探すと見つからないのかもしれません、こういうのって。家庭栽培の野菜をたっぷり使っているから、どれも新鮮で、あっという間に平らげてしまいました。食後に手作りの梅酒も追加注文して、地味に満足できるお味でした。ごちそうさま。
唐招提寺
最後のお寺は、鑑真で有名な唐招提寺。鑑真とは、奈良時代の日本に戒律を伝えた唐のお坊さんです。失明した後に、中国の唐から何度も渡海に失敗するという困難にあいながらも、日本にたどり着き、晩年はここ唐招提寺ですごしました。どこも同じですが、そういった歴史的背景を知っていると、感動するものがあるかもしれません。境内は広くとても綺麗で国宝の「金堂」や「講堂」以外に、苔の庭園が印象的でした。
奈良の旅がそろそろ終わろうとしています。一泊二日と短い旅でしたが、この静寂さに心の奥底まで洗われ、またアメリカに戻って頑張れる元気をたくさんもらいました。
さて、実は旅はまだ終わっておらず、帰りに今回の第2のハイライトでもある、長谷園という三重県の陶器屋を目指します。でもこの話は、また次のブログで。
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