久しぶりに素晴らしい出会いがありました、と言ってももうかれこれ2年前の話ですが(ブログに書こうと思っている内に、2年の月日が流れていました)・・・・。
それは、今ではすっかり世界的に有名になったシェフ、ダン・バーバーとの出会い。ハーバードで行われた今後の課題食糧不足をテーマにしたパネルディスカッションで彼の話を聞き、すっかり感動してしまいました(最後には握手までしてもらいました!)。
農場Blue Hill Farmの経営者、「Third Plate (第三の皿、日本語訳あり)」の著者でもあるダン・バーバーは、マンハッタンのBlue Hillと農場直営店のBlue Hill at Stone Barns2つのレストランも経営しています。食と環境の相互関係の大切さを訴える彼は、Blue Hill Farmで、有機農業はもちろんのこと、廃棄物を肥料にするなど循環利用した持続可能な農業を実行しています。
またレストランでは、フードロスの削減を念頭に、手に入る素材を無駄なく調理し、真の美味しさを伝えようと努力しています。使われる素材はBlue Hill Farmで収穫した旬の食材で、その日の収穫物によってメニューが決められるため、収穫具合によってチキンやラムなどの肉がほんの少しで、ニンジンがたっぷりということもあります。個人でできることは小さいけれど、この場を通して、食への意識や価値観を伝えていこうというのが彼の姿勢。そして今少しずつですが、アメリカの食文化に影響し始めている気がします。
期待いっぱいで訪れたマンハッタンのレストランでは、前菜の前にいつも捨ててしまうフェンネルの一番先の部分が大胆に並べて出て来ました(写真)。来た来たっと思い、下の緑のドレッシングをつけて食べてみたら、驚く程美味しい・・・。その後もトウモロコシのヒゲがトッピングに乗っていたり、ザクザク切っただけの果物がデザートに登場したり、メインコース(多分)のラムは薄切りが3切れだけだったり(農場で大切に育てたラムらしいです)、明らかに今までには無かったレストランのスタイルですが、素材の美味しさとクリエイティビティーのバランスが見事で、久しぶりにやられたっという嬉しい満足感でいっぱいでした。
こういったレストランなので誰にでもオススメはしませんが、興味のある方へ、ここは予約がなかなか取れませんが、マンハッタンの店は1ヶ月前の朝11時から電話で予約を受け付けています(Stone Barnsの方は確か3ヶ月前だったと思います)。どちらもテースティングメニューのみで、マンハッタンでは$95 と$108との選択、Stone Barnsは一律$258になっています。
あれ以来、フェンネルを調理する度にダン・バーバの顔が浮かんで来るので、すっかり無駄なく全部食べるようになりました。確かに彼の願う通り、消費者のフードロスに対する意識を高めていると言う点で、成功しているのかもしれません(笑)。
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