今までに日本国内をいろいろ旅行したけど、若い頃から気持ちが海外に向いてしまったため、沖縄に行く機会を逃して今日まで生きてきました。今回も実は始めから沖縄に興味があったわけでなく、コロナで海外旅行ができなくなったことと、石垣島への格安チケットを見つけたのがきっかけで、なんとなく沖縄に行くことになったのでした。3、4日ビーチでのんびりするつもりが、コロナ関連で平日のフライトがキャンセルされたため、結果1週間と比較的のんびりの滞在となりました。これはその時の話です。そうそう、今回の旅のお供は、次男と母です。
東京と並んで非常事態宣言が解除されていない沖縄は、想像以上にコロナの規制が厳しく、レストランやショップのほとんどが閉まっていました。でも結果から言うと、そのお陰で地元の人たちの生活を垣間見ることができた気がします。本当だったら観光客として人混みに紛れて見過ごしてしまうことに、もっと触れることができたのかなと。そう思うと、話題のレストランで食事するよりもずっと価値のある良い旅になりました。
7月9日(金)
14日の隔離生活を終えた翌日、名古屋のセントレア空港から石垣島へ向けて出発。国内なのに2時間半と北海道への1時間半に比べ長めのフライト時間が、旅行気分を高めてくれる。想像よりもずっとこじんまりとした石垣島空港に着いたのは、夕方6時15分。暑いが思ったより湿気がなく、風が気持ちよかった。目の前のバス停に運よく待たずにやって来た市バスに乗って、市街地へ向かう。
7:00 pm
7泊のうち最初の4泊はキッチン付きのアパートを予約していた。八重山の島々への移動がしやすいように、フェリーターミナルから近いというロケーションを優先して選んだ。着いてみると、商店街から少し離れた下町風の住宅街にあった。アパートの前の長屋風の家の玄関先では、男性が2人、夜風に吹かれながら楽しげにビールを飲んでいる(写真↓)。そっか、今日は金曜日だ。見た感じからこの家にはクーラーがなかったが、通り抜ける風は心地よかった。
・・・とこんな光景を前にし、子供の頃を思い出していた。私が育った家も商店街の裏にあって、ずっと昔は細い路地を入るとこんな風景があった。クーラーが無い家も多く、こうやって上半身裸で夕涼みしてた人が多かった。消えかけていた懐かしい記憶が、一瞬にしてよみがえってくる。青い海を想像して来た石垣島で最初に出会った景色が、昭和を思い出す懐かしい風景とはちょっと予想外だった。
8:00 pm
アパートに入ってしばらく休憩すると、夕飯を食べに外へ出た。家の前の男性におすすめの居酒屋を聞くと、この辺りの店はコロナのためにどこもやってないので、街へ行くように言われた。ところが街でもほとんど営業している店がなく、やっていても予約でうまっていた。想像以上に状況は厳しかった。同じような旅行者達と道端で話をしたが、コンビニしか無いと言うことで落ち着いた。・・が結局帰りがけに通りがかった中華料理屋の店頭販売の天津飯を購入し、ファミリーマート(石垣島のコンビニは全てファミリーマートだった)で沖縄のオリオンビールを買って、アパートに戻った。
疲れていたから、これはこれで良かった。コンビニも思ったより地元の食品が充実し、なかなか楽しかった。状況がこんな感じなら、今回アパートにしたのは正解だったかもしれない。ビーチでのバケーションには欠かせない洗濯機もついてるし・・。そんなことを考えながら窓の外を見ると、もうさっきの男性はいなかったが代わりに猫の一家がウロウロしていた。猫達の時間がやってきたようだった(笑)。
10:30 pm
夕飯を終えシャワーを浴びると、まずまずの初日に満足しながら、クーラーがキンキン冷えた部屋で、深い眠りについた。
7月10日(土)
8:00 am
石垣島初日である今日の目的地は、竹富島。フェリーでたったの15分で行けるため、八重山列島の中でも人気の島だ。顔を洗ってアイスコーヒーを飲むと、フェリーターミナルへ直行した。チケットを購入し出発までの間、数件ある売店を覗くと手作りのおにぎりやサンドイッチ、おつまみなどが充実していてなかなか楽しい。迷った末鰹節と醤油付きの島ラッキョ、地元のマリヤ乳業の牛乳、マリヤ牛乳がベースのマリヤシェイク、ハンバーガーを朝食に買い、フェリーに乗り込んだ。
朝食を食べる間もなく島に到着してしまったので、フェリーから降り、海を見ながら朝食を食べた。それにしてもこのマリアシェイク、甘さ控えめでミルクの味がして、期待以上に美味しい!
さて辺りを見渡すとさっき降りた観光客は誰もいなく、静まり返っていた。どこへ行ったんだろう・・?島では特に何をするとは決めてなかったので、フェリー乗り場の前にあるレンタサイクルショップで自転車を借り、のんびりとサイクリングすることにした。
町並み保存に力を入れているこの島は、道がきれいに整備され、シーサー、赤瓦の屋根、琉球石灰岩の塀、白砂の道と絵葉書のような景色が続き、サイクリングしていてもとても気持ちが良かった。
しばらくサイクリングを楽しんだら、段々泳ぎたくてうずうずしてきた。そこでとりあえず、一番近かった星砂海岸へ向かった。自転車をとめ、木の葉が作るトンネルを抜けると、目の前にエメラルドグリーンの海が広がった。他にほとんど人影がなく、まさにプライベートビーチだ。木陰で少し休憩し、シュノーケリングの準備をしていると、シュノーケリングに慣れた感じの夫婦が海から上がってこちらにやって来る。そして「あの岩場にサメがいるけど夜行性なんで心配いらないですよ」なんてコメントを残して立ち去って行った。親切なコメントだったが、お陰でなんとなくビクビクしながらのシュノーケリングとなった(笑)。
海を十分に楽しんだ後は、集落へ戻って唯一営業しているというレストランでランチ。この島で養殖しているエビのフライ、ソーキそば、カツカレーと、ようやく沖縄らしい料理にありつけほっとする。どれも素朴な味がして、とてもおいしかった。
食後のデザートは、近所で見つけた手作りアイス。観光地と言えど、おばあさんの手作りアイスが100円で買えるのは、嬉しい。これが250円してたら、絶対この感動は半減していただろう。フレーバーも黒糖から塩ミルク、ゴーヤ、パッションフルーツなどいろいろあって、迷ってしまう。一緒に買ったおばあさんオススメの紫芋のサーターアンダギーもとっても美味しかった。
食後はこの島名物の水牛車に乗って島内観光。少し高い位置から見ると、また町が違って見えてくる。ハイビスカス、モンパの木、バナナの木、ブーゲンビリア、石垣を覆う濃緑の垣根と、太陽の光をたっぷり受けた力強いこの島の自然によりいっそう目がいった。
思う存分に島を満喫すると、自転車を返し帰途についた。
2:00 pm
石垣島に戻ると、アパートへ帰る前に1人でJAへ向かった。食に興味のある私は、その土地に行ったら必ず市場やスーパーを見て歩く。ここJAも地元の野菜がいろいろと並んで、正に宝の宝庫だった!見慣れた日本の野菜とは全く違う野菜や調味料が並び、日本以上に台湾や東南アジアとの繋がりを感じる(ちなみに石垣島でも普通のスーパーでは、よくある日本の野菜がたくさん陳列され、ここまでの感動はない)。カボチャやウリ、唐辛子の種類が豊富なところは、まるでカリブ海のようだ。ウリ、ヘチマ、ヒョウタン、冬瓜、青パパイヤ、島ラッキョ、島唐辛子、山東菜、モーウイ(赤毛ウリ)に、トロピカルフルーツも豊富で、パイナップル はもちろん、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、スターフルーツなどがある。
今回の旅は自炊が多くなりそうなので、少し野菜を買い出した。と言ってもアパートには醤油と油しかなかったので、手の込んだ料理はできないが。
とりあえずシークワーサー、山東菜、モーウイ(赤毛ウリ)、小松菜、おかわかめ、パッションフルーツに、調味料として油味噌、島唐辛子、パピーチ(この辺りで採れる野生の胡椒科)を買った。それに少々傷ありのコーナーに卸していた農家さんから勧められた、緑のパイナップルを2つ買った。緑なのに食べ頃なんだそう。とにかくこれを全て担ぎ、20分歩いてアパートに戻った。
さて野菜と果物は揃ったが、メインになるものがまだない。地図を見ても近所にはスーパーなるものが見つからない。でも良く見ると、魚屋、肉屋、かまぼこ屋など専門店がたくさんあるではないか。後からわかったことだが、車で少し郊外へ行けばスーパーはいくらでもあった。でも同時に、街中にはまだまだこうした専門店が健在していた。
なんだか少し嬉しくなって、歩いて10分ほどの品揃えの良い魚屋へ向かった。土曜日と言うのもあってか、揚げたての魚のフライや天ぷらを求めてやって来た地元の人達で賑わっていた。さていろいろと選んでいざ会計と言うときに、財布を忘れたことに気付き愕然とする。仕方がないので諦めていったんアパートに戻り、今度は歩いて2分のところにある小さな魚屋に行った。心配なくらい小さな店だったが、店内に入った途端に懐かしさがこみ上げてきた。狭くて殺風景な店内、1人で仕切っているおばあさんの様子や(奥で魚を捌いているおじいさんも)、近所の客とのやりとり、一種類しかない山積みされた揚げたての魚を新聞紙で包んでくれる様子、そんな全てがまとまって作り出す雰囲気が懐かしかった。そう言えば昔は、こんなんだったな・・なんてことを考えながらマグロと貝の刺身、それから山積みされた魚のフライを買ってアパートに戻った。
帰り道(たった2分だけど)、自分は昔こんな感じで人の交流がたくさんある町で育ったことを思い出して、改めて幸せに思った。そしてそんな忘れていたことを今石垣島で思い出し、そしてまた経験できたことをうれしく思った。
6:30 pm
というわけで、時間はかかったがこれで、全てが揃った!
シャワーを浴びると、今日の収穫を食卓に並べた。マグロと貝の刺身、魚のフライ、オクラときゅうりのアンダーミショ(油みそ)のせ、山東菜のシークワーサーと醤油のお浸し、今朝の残りの島ラッキョ、焼き紫芋と、なかなか豪華ではないか!オリオンビールを開けて、家呑みが始まった。今日の長い1日を締めくくる最高の時間。
8:30 pm
食後はデザートのアイスクリームを買いに近所のファミリーマートへ行きがてら、近くの橋の上を散歩した。石垣港の夜景が綺麗に見える。日が沈んだ後のこの場所は、強い風が吹き抜け少し肌寒いくらいだった。周囲をよく見ると、他にも夜の散歩を楽しんでいる家族がたくさんいた。そして橋の下では子供向けに映画をやっている。南国の週末の日暮れ、いつになく賑わっていた。
今朝星砂海岸にいたことがもう遠い昔のことのように感じられる。なんと有意義な1日だったんだろう。
7月11日(日)
8:00 am
JAで買った緑のパイナップルとアイスコーヒーを朝食に食べると、街まで歩いてレンタカーを取りに向かった。
最後の二日間でレンタカーをしようと思っていたが、後半は天気が崩れると言う予報を見たので、急遽今日車を借りることにした。天気の良いうちに、いわゆる名所を少しでも見ておこうと思ったからだ(結果今回の滞在は毎日快晴に恵まれたが)。
でも実はもう1つ、今日車が必要な理由があった。それは空港へ向かう途中にある白保で日曜日に開催される「白保日曜市」を見てみたかったからだ。でも残念ながら(残念すぎる・・)コロナのために市は開催されてなかったことを、開催場所の駐車場についてから分かった。調べてから行けば良かったのだが、まさか生活に必要な市までが閉鎖されるとは夢にも思わなかった。落ち込んだが、駐車場の垣根の向こうに広がる白保海岸を散歩したら、多少は元気を取り戻すことができた。いつかまた来るしかない・・。
と言うわけで朝からガッカリしたが、気を取り直して今日の目的地川平湾(かびらわん)へ向かった。白保から出発したので、市街から一般的に行くルートとは違い、島の真ん中を横切る形で車を走らせた。そのため景色はこんな感じで、時々牧場、サトウキビ、パイナップル畑があったりと、のどかだった。
10:00 am
島の西側に出るとまたきれいな海が見えてきて、そこからはわりとすぐに川平湾に到着した。ツアーの宣伝などからもここはかなりの名所なのはわかっていたが、実際に来てみると納得いく美しさだった。近くで見ても遠くから見えても、とにかく絵になる。母と息子がグラスボートに乗っている間、1人でこの辺りを散歩したが、周囲には人が誰もいなく自分の世界に浸ることができた。普通だったら、この贅沢な景色を前に1人静かにってわけにはいかないんだろうな・・きっと。
12:00 pm
川平湾は綺麗だけど泳げなかったので、お次は近くの底地(すくじ)ビーチへ向かった。車をとめてビーチへ向かうと「ハブクラゲ発生注意」と書かれた看板がある。刺されたら時には死ぬこともあるので海水浴をする場合は、クラゲ侵入防止ネット内で泳ぎ、もし刺され時のためにと酢が置いてある。時に死を導くのに、いったい酢が効くのだろうか??
どうしようか迷っていると、遥か彼方でシュノーケリングをしている人が見えたので、そちらへ歩いて行ってみた。運の良いことにその人は、マリーンスポーツのビジネスをしている人で、ハブクラゲについていろいろと教えてくれた。
まずはラッシュガードがあれば、刺されても問題ないとのこと(次回は持参しよう・・メモメモ)。そして次にハブクラゲは浅いとこにしかいないので、深いところでは問題ない。浅いところでは、なるべく歩かずシュノーケリングしていれば、ハブクラゲは見えるので避ければ良い。歩いている時も気をつけていれば見えるので、避けることができると言う貴重な話を聞かせてもらった。ついでに魚がきれいに見えるところも教えてもらったので、ちょっと不安はあったものの、楽しくシュノーケリングが楽しめた。教えられたスポットは、珊瑚も多く周辺には魚がいっぱいで、息子も大喜びだった。
やっぱり知らない海へ来る時は、もっと下調べが必要だな・・と、ちょっと反省。
2:00 pm
泳いだらかなりお腹が空いてきたのに、コロナと日曜日と言うダブルの理由から食堂や食料品店など全て閉まっている。もちろんファミリーマートなんて存在しない。唯一見つかったのは、こんな野菜の無人販売所・・(シークワーサーだけゲット)。
違うビーチにも行きたかったけどお腹がすいたので、仕方なく市街地に戻ることにした。でも街でもほとんど食堂はどこもやってなく(大手以外は日曜休みが多いようだ)、結局スーパーへ寄ってお弁当を買いアパートに戻ることにした。今日はもう十分楽しんだしこれで良しと自分を納得させ、まだ車を返さなくてはならないので、炭酸にシークワーサーを絞って飲んだ。美味しい〜!実は今回の旅行の楽しみの1つは、水や炭酸水にシークワーサーをたっぷり絞って飲むことだった。
と言うわけで、ランチはカツサンドにゴーヤ入り野菜のかき揚げ、それからお気に入りのじーまーみ豆腐。じーまーみ豆腐はピーナッツから作る胡麻豆腐のようなもので、とても美味しいので滞在中スナックに食べていた。カツサンドもジューシーでとても美味しかった。沖縄は豚肉料理が多いが、実際にとても美味しいと思う。豚の質も違うのかもしれないが、料理のコツを得ている気がした。
ランチの後はシャワーを浴びてさっぱりすると、アイスコーヒーを飲みながら最近癖になってきているサーターアンダギーをデザートに食べた。今日は塩入でまたさっぱりして食べやすい。お腹が大満足すると、しばらく各自昼寝をしたり、本を読んだりと、のんびりと過ごした。
5:00 pm
街で車を返しながら、ユーグレナモール周辺を歩いた。日曜日と言うのもありほとんどの店が閉まっていたが、最近石垣島にオープンしたと言うホタルガラスのアクセサリーショップ(長七屋)が開いていたので、入ってみた。小さなブルーのピアスがたくさん並んでいる。ここに数日滞在している間に、沖縄=ブルーと言う思いが自分の中でも強くなっていて、このピアスが素敵に見えた。旅行前はそうは思わなかったかもしれないが、ここにいるとこの透明ブルーが特別な色に感じられた。思い出に1つ、シンプルな丸いガラスのピアスを母に買ってもらった。何種類もあるブルーからいろいろ迷ったが、やはり「八重山ブルー」を選んだ。
帰りがけにいつも賑わっている街角のシェーク屋The Shakeで紫芋とイチゴのシェークを買い、のんびり歩いてアパートへ戻った。
アパートの前まで来るとご近所さんはいなく、この家の住人が1人で猫に餌をあげていたので、挨拶をして通り過ぎた。
さて今夜の夕飯は、ファミリーマートで買ったインスタントの沖縄そばに、小松菜と石垣名物の平かまぼこを乗せてみた。それからさっと茹でたおかひじき、石垣もずく、赤毛ウリのシークワーサー和えも添え、石垣島地ビールと泡盛が入った「石垣島ハイビール」で乾杯した。インスタントラーメンと言えど、これだけ副菜があればなかなかのご馳走だった。
7月12日(月)
7:30 am
今日はちょっと遠出で、フェリーで1時間15分ほどかかる日本最南端の島波照間(はてるま)へ日帰り旅行。パイナップルとじーまーみ豆腐にアイスコーヒーを朝食に食べると、ターミナルへ向かう。フェリーの数が少ないので、乗り遅れないように黙々と早歩きした。
今日のこの旅行について結果から言うと、なんと言ってもやはり一泊すべきだったということ。西表島に行った時に確信したことだが、少なくとも一泊しないとその島の魅力がわからないと言うことだった。もちろん目的が島を制覇することだったり、綺麗な海を見ることだけなら違うのかもしれないが、島の生活や旅の経験をより豊かにしたいならやはり泊まるべきだと思う。例えば帰りのフェリーの時間に追われないだけで、日帰りの場合とは比べようもない開放感が生まれてくる。そして観光客が帰り暮れてどこか物寂しくなってやっと、自分がどれだけ遠い地にいるかを改めて実感し、大きな感動がおとづれる。そして壮大な星を見上げ、さらに胸がいっぱいになる・・。という感じで、うまく説明できないが感じられることに大きな差があると思う。でもこれがわかったのは西表島に泊まってからだった。
ただ波照間で一泊しなかった理由は、いくつかあった。天候が変わりやすいと聞いていたので、ホテルを予約するのが不安だったこと、泊まりたい旅館が空いていなかったこと、そして何より同行している母に負担をかけないよう荷物を持っての移動をなるべく避けたかったなどがあったから、仕方がないことではあるけど結果残念だった。
前置きが長くなったが、フェリーから降りると電動自転車を借りて、島の端から端までサイクリングした。実は電動自転車に乗るのはこれが生まれて初めだったが、すぐにそのパワーに感動した。なんと母を後ろに乗せて坂道を楽々に進むことができたのだ(もちろん通りがかりの人に注意されたけど)。坂の上からまっすぐ続く道の先に見える海、のんびり寝そべるヤギ、日本最南端の碑、集落など、ただただのどかな風景を楽しんだ。
サイクリングを十分楽しむと、ビーチでのんびりするためにニシ浜へ向かった。製糖工場を曲がって、ニシ浜の海が目の前に広がると、その美しさに息を飲んだ。その日の天気も関係してると思うが、間違いなく今回の旅で一番綺麗な海だった。
残念ながら透き通ったこの水の中で泳いだりシュノーケリングしたりする贅沢な時間は瞬く間に過ぎていき、あっという間に帰りの時間がやってきた。フェリーの時間を気にせず好きなだけずっとここにいれたらどんなに良かったことか・・。
心残りの波照間。いつかまた必ず戻って来ようと心に誓って、帰途についた。
5:00 pm
帰りのフェリーでは爆睡したので、あっという間に石垣島到着した。アパートまでは歩いて10分ほどだったが、夕方でも暑さは厳しく汗だくになった。やっぱりクーラー、ありがたい。冷やしておいたさんぴん茶に、JAで買ったパッションフルーツと、みやぎのくんぺんという、ピーナッツとゴマのなかなか美味なお菓子を食べて、しばらく休憩した。
6:30 pm
さて今日はもう1つ楽しみが残っていた。なんと今夜は、焼肉レストランに夕飯を食べに行くのだ。昨日散歩中にたまたま見つけた近所の焼肉屋さん、もちろん満席で入れなかったが予約をしてきた。シャワーを浴びてちょっとおしゃれして、歩いて5分ほどの店石垣牛MARUに向かう。オーナーがとても良心的で、オーダーした石垣肉の焼肉セット以外に、昨日立ち寄ってくれてありがとうと自慢のお肉をサービスしてくれた。人にサーブしてもらえるのはやはりありがたく、どれもとっても美味しかった。近所の肉屋さんで肉でも買って焼肉しようと思っていたところ、こんなにパーフェクトなレストランが見つかって本当によかった。
ただ自粛のためにレストランではアルコールが飲めないのが難。仕方がないのでアパートに戻って、焼肉を思い出しながら雪塩とシークワーサー入りの酎ハイを飲んだ。塩味が程よく効いて美味し酎ハイだった。
9:00 pm
キッチンの窓から外を見たが、ご近所さんはいない。・・そんなことを思いながらキッチンを片付けていると、息子がやってきて猫に餌をあげたいとせがむ。実は毎晩せがまれていたのだが、ダメと言い続けてきた。というのもこの辺りのノラネコ、驚くほど行儀がよく人とうまく共存していた。だからこの生活パターンを乱すようなことをしたくなかったのだが、ここでの滞在も今夜が最後だったので、余ったご飯を息子に渡した。
始めは警戒して寄ってこなかったネコたちも、しばらくしてやっと近寄ってきた。それでも母ネコは子ネコ達が食べている間、ずっと周囲を警戒しながら見守っていた。忘れた頃にふっと外を見ると、だいぶなついてみんなして息子の手からご飯を食べていた。
ご近所さんとの出会いに始まったここでの滞在、ネコたちとの交流を最後に終わろうとしている。悪くないな・・。荷物を詰めて明日の準備をすると、いつまでも入ってこない息子を呼んで、ベッドに入った。
7月13日(火)
7:00 am
今日はアパートをチェックアウトし、西表島へ移動する日だった。たった一泊だが、今回の旅行で唯一選んだ宿泊予定の離島。忘れ物がないかアパートを点検し、鍵を元のセーフティーボックスに戻すと、荷物を持ってアパートを後にターミナルへ向かった。
予定通りフェリーに乗り、約1時間後には上原港に到着する。港にはミニバンがたくさん並び、その前にはツアーやホテルの看板をかかげた人たちが立っていた。後から知ったことだが、ここは石垣島から日帰りでツアーに参加する観光客多く、その人たちにとって時間通りに動くことはとても大切だった。
10:00 am
私たちはというと、フェリーに付いてくる無料のバスでホテルへ向かった。公共のバスは、1日に数本しか走ってないから、この無料バスはとてもありがたい。バスに揺られて15分、下車して数分でホテルに着いた。ホテルと言っても個人経営のアットホームなホテルで、オーナーはとても気の良さそうな方だった。実はこのホテルを決めたのも、あまりにこのオーナーへのレビューが良かったからだったが、大正解だった。
西表島はスキューバ、トレッキング、カヌーなど海や山のアウトドアアクティビティで有名だが、今回は母が一緒だったため島でのんびりしようと自分に言い聞かせ特に予定は立ててなかった。でも行きのフェリーの中でいろいろ資料を読んでいると、マングローブくらいなら見れるのじゃないかと思えてきた。そこでホテルのオーナーに相談すると、近くにある仲良川のマングローブクルーズを紹介してくれた。しかも時間があるからと言ってそこまで車で送ってくれ、何かあったらと携帯番号までくれた。毎日たくさんの客を相手にしてるのに、なんて親切なんだろう。心から感謝した。
予定通り11時のクルーズボートに乗り、両岸に並ぶマングローブを楽しみ、母の調子が良かったので上流で降りて森林を歩いてナーラの滝まで行くこともできた。亜熱帯の森林はまさにジャングルで、息子もトカゲやクモにビクビクしながらも探検気分を味わっているようだった。一般的なツアーは半日コースで、ここからさらにカヤックでマングローブの奥地に進むようだが、小さな子供やお年寄り連れなどハンディキャップがある場合はこういったオプションもある。
クルーズを終え次の市バスまでまだ2時間ほどあるため困っていると、クルーズ会社の人が送ってくれると言うので、港まで連れて行ってもらいこの辺りを歩くことにした。
まずはお腹が空いたので2軒やっている食堂のうち、送ってくれた男性がおばちゃんの態度が多少ましと言う新八食堂で、ランチにすることにした。外観からもわかるように、ザ庶民的な食堂だ。至ってシンプルなメニューから野菜ソーキそばと、ゴーヤチャンプル、ニンニク豚丼(いつもあるスペシャル)をオーダーした。ソーキそば、あっさりしてとてもお美味しい。上に乗った豚肉も、コクがあるのにあっさりしている。半分食べてから、テーブルに置いてあるピパーツという島胡椒とコーレーグース(泡盛漬け唐辛子)を加えて食べてみる。ピリッと辛い泡盛の味とピパーツのフローラルな香りが加わり、また違った料理が出来上がり得した気分になる。
そしてやっとありつけたゴーヤチャンプルも、素朴で美味しかった。気づいたのだが、沖縄のゴーヤはみずみずしく苦味が少ない。よくサラダにも生で乗っているけど、すごく美味しい(帰って作ってみたが、やっぱり違った)。だから沖縄で食べるゴーヤチャンプルもこんなに美味しいのかもしれない。
ランチの後は、スーパー見学。店内はそんなに大きくないが西表島の名産品が取り揃えてあって、なかなか面白い。ここでまたしても黒糖を買ってしまう(いったい今日までにいくつ買ったのか・・)。それからデザートにアイスキャンディー(シークワーサとグアバ味)と乳酸菌飲料で知られている石垣島のゲンキ乳業のさんぴん茶ミルクティーを買った。このさんぴん茶ミルクティーはパッケージがかわいいだけでなく、さんぴん茶の味がちゃんとしてとても美味しい。
・・となんだかんだでバスの時間が近づいてきたので、迎えの店で買った100円冷凍パイン片手にバス停へ向かった。
バスでホテルに戻ると、午後はホテルの周辺を歩いたり目の前に広がるビーチで貝殻を拾ったりとのんびり過ごした。
遠くに鳥居が見えたので神社だと思い上まで登ったら、津波の時の避難所だった。
散歩を終えて部屋に戻ると、シャワーを浴びて少し休憩。そしてホテルのレストランで早めの夕飯を食べた。レストランと言っても近所のおばちゃんが家庭料理を作っている感じで、料理の種類も少ない。沖縄の定番料理ポークたまごの定食をオーダーすると、スパムと卵焼きに、ジューシーという沖縄風炊き込みご飯、青パパイヤの味噌汁、もずく、ポテトサラダがついていてなかなか豪華だった。お味の方は見た目通り、まさに近所のおばちゃんの味だった(笑)。
夕方になると夕日を見に宿泊者達が海岸に少しずつ集まってきた。それぞれ距離をあけて無言で座ったが、綺麗な夕日が真っ赤に照らされるにつれ、その距離が少しずつ縮まって行く気がした。宿泊者はこだわりを持った個人旅行のダイバーが多かったからか、なんとなく独特の雰囲気が流れていたが、夕日がそんな空気が和らげ、日が沈む頃にはここに繋がりを持たせてくれた。
11:00 pm
空が暗くなると、今度は屋上に上がって星をみた。床に仰向けになって空を見上げていると、初めは何も見えなかった空に綺麗な星が現れ、最後には天の川まで見えた。
自然いっぱいに囲まれた1日の素敵な締めくくりは、想像以上に輝いていた満点の星空だった。
7月14日(水)
西表島の自然を見ているうちに、もっとアウトドアアクティビティをしてみたいと気持ちが強くなってきていた。結果色々迷ったけど母も勧めてくれたので、息子と2人でシュノーケリングツアーに参加することにした。砂浜からのシュノーケリングでは行ける場所に限界があるし、もしツアーに参加するならやっぱりここ西表島だろう。母はホテルでのんびりしているということだったので、そうすることにした。9時にツアーの迎えが来て、石垣島から日帰りでやってくる観光客をフェリーターミナルでピックアップすると、ツアーが始まった。
ツアーはプロだけあって、珊瑚がたくさんあって魚がたくさん見えるところを2カ所も案内してくれた。水色の海の中はとても神秘的で、半日どころか1日でも入っていたいくらいだった。触れるくらいの距離にいるウミガメも見ることができ、本当に参加した甲斐があった。
参加したツアー会社は西表島では一番の大手で(本当はもっとこじんまりしたツアーを探したが、全部いっぱいだったので)、若い授業員がたくさん働いていた。彼らは日本各地から集まった海好き達で、みんな素敵に輝いて見えた。好きなことをやっているからなのか楽しそうで、見ていてうらやましくさえ思えた。送迎してくれた男性が足につけている青いサンゴのアンクレット指して(写真↓)、「これはこの辺りの海の男の証なんだよ」というようなことを教えてくれ、急に同じものを息子に1つ買ってあげたくなった。(数日後石垣島の店で探し、息子どころか自分にも1つ買ってしまった)
大満足でホテルに戻り、帰り際にスーパーで買った昔風のお寿司をお昼に食べた。
そして荷物を担ぐと市バスでフェリーターミナルに向い、間もなくしてやって来たフェリーで石垣島へ戻った。
3:30 pm
石垣島へ到着。1日いなかっただけなのに、ずいぶん久しぶりに感じられた。そしてのんびりして見えたここが、忙しい都会に見えた。随分貴重な経験をしてきたんだな・・と再確認しながらまた西表島を思い出した。
気持ちを入れ替えタクシーに乗りこむと、残り二日間を過ごすホテルへ向かった。今度はフェリーターミナルからも街からも離れたマエサトビーチの近くにあるホテルだった。4泊過ごしたアパートがあった住宅地とは全く違う郊外にあった。特に味気も何もないホテルだったが、最後はビーチのすぐ近くのホテルでのんびりして帰ることに決めていたので、これで良かった。
ホテルに着くとロビーにはサービスのコーヒーやお茶、ライブラリーやレンタサイクルがあったりと、それなりの心地良さがあった。4階の部屋からは海も見えた。
6:00 pm
しばらく休むと、歩いて10分ほどのレンタカー会社に予約してあった車を取りに行った。今日から車を二日間借りて、最後は空港で返す予定にしていた。この辺りは大型チェーン店が並んでいて、一瞬自分がどこにいるか分からなくなる。もしここだけにしか滞在してなかったら、また違った石垣島の印象を受けていただろうな・・。
車を借り、お酒をいろいろ買い込んでホテルに戻った。夕飯はホテルの迎えにあるアルコール無しの居酒屋で(コロナの規制のため、沖縄の飲食店では一切アルコールが飲めない)、簡単な食事をとった。コロナで客も少ないため、メニューの半分くらいはなかったが、期待してなかったので食事にありつけるだけ良かった。刺身の盛り合わせ、島ラッキョの天ぷら、島野菜のサラダ、グルクンおにぎり(揚げたグルクンという魚が入ったおにぎり)を美味しくいただいた。
部屋に戻ってシャワーを浴びると、買っておいた石垣島ビールを開けた。美味しい!今日の朝は西表島でシュノーケリングをしていたなんて信じられない長い1日。今やっと達成感が込み上げてくる。
みんなが寝静まるとビールを片手にロビーのライブラリーに行き、ぎっしり並んでいる沖縄関連の本を手当たり次第夜中まで読んだ。これはこれでまた楽しい時間だった。
7月15日(木)
8:00 am
丸1日あるのは、今日で最後。まだ行っていない島の北方面へドライブの予定だった。特に急ぐ予定も無いので、のんびりと朝食ビュッフェを食べる。
しかし・・この後、大きな問題が起こった。沖縄旅行の前に焼き鳥を食べて食中毒になった息子がまだ完治してなかったようで、旅行中も微熱が続いていたのだが、昨夜からまた高熱に変わり、朝食後に熱を測ったらまだ下がっていなかった。抗生物質を飲んだのに治ってないのが気になって、迷ったが病院に連れて行くことにした。
地図で見て一番近かった県立八重山病院の小児科に連れて行き、結果受付から薬を受け取るまでの約3時間をここで過ごすこととなった。待たされる間不安やイライラした時もあったが、ちょっとだけ良い面もあった。それはここで地元の人たちを観察したり、多少なりとも交流することができたことだった。病院の中の売店にも目新しいお弁当やお菓子があったりして、楽しかった。ある意味貴重な経験ができたのかもしれない(自分の大学時代のメジャーがアンソロポロジーだったことを改めて納得したり・・)。
1:00 pm
というわけで最終日の午前中が潰れてしまったが、ポジティブに気持ちをリセットするために、ホテルの前にあって気になっていたコーヒー屋さんでコーヒーと黒糖のケーキを食べて、ドライブを開始した。それにしてもなぜだか石垣島にはおいしいコーヒー屋さんが多い。コーヒーを栽培している農園も気になったが、あいにくコロナで休業中だった。
さて今日最初の目的地は、ネット検索したら出てきたやちむん館工房という民芸品ショップ。すごく興味があったわけではないが、他にやることがなかったので行ってみることにした。空港の手前の道を曲がると、さとうきび畑の間の砂利道を通り抜け、道間違ってない?と不安になる頃に到着する。お店はさほどだったが近くまで来ることがあるなら、途中の景色やここの庭を見るためだけにでも立ち寄って見る価値があると思う。
この後は特に予定もなく、道端でバナナを買ったり、
途中見つけたおしゃれなお店で、まだ熱がある息子のためにスムージーを買ったり、
地元の商店でドランゴンフルーツや手作りの調味料をいろいろと調達したりしながら、
とうとう目的地、石垣島の最北端にある平久保崎灯台に到着した。写真からもわかるように、丘の上から見るこの景色は壮大で、今日のデスティネーションにぴったりだった。しばらく岩に腰掛け、この景色を満喫した。
灯台のすぐ近くにあった窯元で、街のお店に比べてかなりお値打ちだった小皿と湯呑みを自分へのお土産に買った。
日が暮れかけてきたので少し急いで運転していると、カーブを曲がったところにマングローブの森が広がり思わず急ブレーキをかけた。ここは吹通川のヒルギ群落という名所らしく、壮大なこの景色をもっと近くで見たくて車を停めた。夕暮れだったからか、人どころか車さえ通らなかったからか、神秘的で少し怖い気さえしてきた。改めて自然の偉大さそして石垣島の自然の豊かさを実感していた。
なんとか日が沈んでしまう前にホテルに到着し、今日のドライブが完了した。車を停めると、ホテルからすぐにある閉店間際の石垣島麺処へ駆け込んだ。なんせレストランのほとんどが7時半がラストオーダーということで、計画的に行動する必要がある。
誰もいない店内に座り、石垣島ラーメンを注文する。ラーメンはこの写真のように、玉ねぎ、背脂、肉、海苔、青パパイヤ、ネギ、シークワーサーのもみじおろしがのっていて、好みで胡椒、ピパーツ(島胡椒)、酢をかけて食べる。こうやって解説があるととても分かりやすくてありがたかい。さすが大型ホテルの迎えにあるだけある。本来だったら賑わっているのかもしれないな。そんなことを思いながら、お腹が空いてたので目の前のラーメンをあっという間に平げた。
ラーメン屋の近くの空き地に、フードトラックを見つけた。こちらはレストランじゃないからお酒が飲めると言うことで、賑わっている。改めてルールのくだらなさに呆れてくる。
ホテルに戻ってシャワーを浴びると、速攻でビールをあけた。病院から始まった今日1日を思い返すと、なんと長い1日だったことか。精神的にも疲れたのか、ビールがいっそう美味しく感じられた。しばらく母と息子と旅の思い出話をして、最後の夜を楽しんだ。そしてみんなが寝静まると、またビールを持ってロビーのライブラリーへ向かい、本を読みながら1人の時間を楽しんだ。
7月(金)
11:00 am
今日は石垣島を離れる日だったが、帰りの飛行機は夜6時半と遅く、半日以上自由な時間がある。でも無理なことをして飛行機に乗り遅れても困るので(よくやる・・)、商店街周辺で時間を潰すことにした。
ゆっくり朝食を食べ、チェックアウトギリギリまでホテルで過ごすと、荷物をレンタカーに詰めホテルを後にした。
車に乗り込むと今日の最初のストップである地元の個人スーパー知念商会へ、B級グルメ「オニササ」を買いに向かう。馴染みのない言葉「オニササ」のオニはおにぎり、ササはささみフライのことで、地元の高校生が考え出したいうササミフライおにぎりのことだ。
店内のお惣菜コーナーから特別サイズのササミフライをとり、その上にソースとマヨネーズをたっぷりかける。次におにぎりを乗せ、2つをギュッと握って1つにしたら出来上がり。特にここでなくても作れそうだが、やはり本場でやってみるのは楽しいし美味しく感じられる!実は昨日の夕方立ち寄ったのだが既にお惣菜は全部なくなっていたので、今日は2度目のチャレンジ。確かに美味しく、気付いたら息子が喜んであっという間に平らげていた。
知念商会を後に、今度は息子の希望で街のユーグレナモールへ戻ってショッピング。自分用にTシャツを買いたいという息子に付き合って、モールやその周辺を見て回った。同時に私は私で、西表島の海の男達がつけていた例の青いサンゴのアンクレットを探していた。簡単に見つかると思ったらそうでもなく、最後に入ったマーシャル諸島出身の男性が経営しているOsean’s Luckという店でやっと見つけることができた。嬉しかったので思わず息子に1つ、そして自分にも1つ買ってしまった。
ショッピングの後は、近くのお食事処ゆうくぬみで休憩。オーダーした黒糖のかき氷は沖縄ぜんざいとも呼ばれ、金時豆で作るぜんざいの上に濃厚な黒糖シロップがたっぷりかかったかき氷が乗っている。甘さ控えめでさっぱり美味しく、しかもこのボリュームで500円。おばちゃん1人で切り盛りしているちっさなこの店、一緒に食べたソーキそばも出汁が美味しく、最後に素朴な石垣島の味を堪能できて良かった。
必要事項を全部済ませるといよいよ街を後に、空港へ徐々に向かいつつのドライブを開始した。途中、フサキビーチ付近のミルミル本舗でジェラートを食べたり、
最後まで懲りずに野菜をみたり、
海を見納めしたりした。
時間潰しに、こんなシークワーサーの公園(シーサー農園)を見学して、
ヤエヤマヤシ群落の公園にまで行った。
この公園、ヤシの群落に作った小道を数百メートルだけど歩くことができ、静かにたたずんでいるとマイナスイオンで心がクレンズされていく気がした。観光客がいっぱいだとまた違った印象を受けるのかもしれないが、今日のように他に誰もいない静かな日ならば、立ち寄るのも悪くはない。公園の入り口付近では海塩を作っている様子も見ることができ、売店のしぼりたてのサトウキビジュースも美味しかった。
とこんな感じでドライブしながら目に入ってくる所々に立ち寄りながら、気ままな最終日を楽しんだ。
空港に到着し時間通りに無事レンタカーを返しすと、やっと一安心。沖縄中の名産が揃った売店やレストランをゆっくり見て歩き、ミルミル本舗のハンバーガーに、売店でちまきとビールを買って機内に入った。昼間金城かまぼこ店で買ったじゅーしーかまぼこ(沖縄風炊き込みご飯をかまぼこで包んだおにぎり)もあったし、お陰で飛行機を降りるまで沖縄気分に浸ることができた。
と言うわけで最初にも書いたが新型コロナウイルスが影響した今回の旅、こんな感じでまた違った石垣島の一面を楽しみながらの思い出深い旅となった。海外旅行に行けなかったが、こうして自分の国を再発見するのはそれ以上に面白いかもしれない。その時その時でできることを目一杯楽しむ、これからもそうありたいと思った。
余談だが前から大好きだった弥勒世果報というミュージックビデオを旅行後に見たら、登場する1つ1つの沖縄の自然が見覚えのある懐かしいものに変わっていて驚いた。同じシーンがここまで違って見えるなんて、やっぱり経験することの威力ってすごいと改めて感じた。
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