– 2022年夏 II –
前回からの続き・・・
福岡から鹿児島へ
7月5日(火)
4:15 pm
料理教室を終え、新幹線で終点の鹿児島へ出発する。
新鹿児島駅に着きホテルにチェックインすると、そのまま寝入ってしまいそうになるのを振り切って、天文館にある「むじゃき」へ向かう。かき氷にフルーツをトッピングし練乳をかけた鹿児島名物のかき氷「しろくま」、その本家であるむじゃきに、ずっと昔から行きたいと思っていた。
閉店時間の7時まであと40分。大急ぎで目の前を走る路面電車に飛び乗った。
ラッシュアワーの路面電車、予想以上に時間がかかってしまったが、なんとか閉店の10分前に滑りこむ。
・・・が、本日の営業は終了したと言われ唖然としてしまう。テイクアウト用の窓口さえ10分前に閉まってしまうなんて。
がっかりすぎて夕飯のレストランを探す気にもなれず、目に入ったすぐ近くのしゃぶしゃぶ屋に入ることにした。半地下にあるこの店、外から見たらやっているかな?というくらいひっそりとしていたが、店内は賑わっていて、御座敷に座ったからか、帰る頃には気分がほっこりしていた。
食後はゆっくりホテルまで歩いた。商店街はほとんど閉まっていたけど、鹿児島の街をなんとなく感じることができた。博多もそうだったけど、ここではまだアーケード街が生きていた。飲食店や土産屋だけでなくちゃんと市民の生活に根付いた日常的な店が色々とあって活用されている。閉店間際の店の前で子供たちが走り回っている光景とか、どこか懐かしかった。
10:00 pm
ホテルに戻って、やっとリラックス。博多のホテルで目覚めた今朝が(旅行記I)、もうずっと昔のことのように感じられた。主人と電話しているヘンリーの声が段々遠くなる。充実したながいなが〜い1日、目を閉じたら終わってしまう・・というところから記憶ない。
屋久島へ
7月6日(水)
8:00 am
いよいよ今日は今回のハイライトでもある屋久島へ向かう。ホテルをチェックアウトすると、土砂降りの中フェリーターミナルに向かった。
観光客が一般的に屋久島へ行く方法は、飛行機(35分)、高速船(2時間半)、大型フェリー(4時間)の3つある。この順に所要時間が長くかかるが、値段はこの順に安くなる。と言うことで迷わず大型フェリーを選んだ。そして結果これが大正解だった。船内は古いもののウミガメのミニ水族館、大浴場、大広間、本の貸し出し、カフェスペースなど広くて豪華で、持ち込んだ朝ごはんを食べたり船内を歩き回ってるうちに、あっという間に宮之浦港に到着した。
下船して観光案内所で3日間のバス乗り放題パスを購入すると、バスが来るまでの間にメイン通りの食堂で昼ごはんを食べた。トビウオの刺身が食べたかったが、台風の影響で漁に出られず刺身は何も無いとのことで、トビウオラーメンと魚介天ぷらのぶっかけうどんをオーダーした。
トビウオの出汁がきいたラーメンには、さば煎汁という調味料が添えられている。これはさば節製造の過程で煮出した汁を水飴状になるまで煮詰めたもので、甘くて濃厚なサバの香りがする。ラーメンに少し加えたら味に深みが出て、また新しい美味しさが広がった。
お腹がいっぱいになって一息つくと、屋久島にいることをやっと実感してきた。
今回の島での移動は公共バスを予定しているが、本数がかなり少なく、不便であることは既に想像できた。中心部は最低1時間に1本あっても、遠隔地は1日に5本程度しかないから、計画的に行動しなくてはならない(1日レンタカーをして見所を一気に回ってしまう方が良かったのかもしれない)。
今夜の宿はそんな遠隔地にある永田町という海辺の町。不便な町だが、ウミガメの産卵で知られており、ヘンリーに見せてあげたいと思い遥々やって来た。ウミガメ協会はコロナの影響でウミガメツアーを休止してたが、案内してくれるという地元の民宿を見つけることができた。
バスを降り、宿泊予定の宿「民宿いなか浜」の前に荷物を置くと、チェックインの4時まで目の前に広がる海岸でのんびりすることにした。誰もいない静かな海で泳いだ。
4:00 pm
時間になるとチェックインをすませ、宿の周辺を探索した後は、部屋に戻って目の前に広がる贅沢な景色を前に、ヘンリーとおしゃべりタイム。
7:00 pm
楽しみにしていた夕飯は、トビウオやサバ、見たことないのない貝、パッションフルーツなどの地元の幸がいっぱいで、食べ応えがあり大満足だった。食後は、海風を受けながら海岸を散歩した。
10:00 pm
なんだかんだでもう10時。明日は朝5時起きなので、そろそろ寝なくては。カメ、見れると良いな・・。
屋久島の1日
7月7日(木)
5:00 am
4時45分に目覚ましがなって、起床する。予定通り5時に宿の前でオーナーと合流すると、小雨の中、懐中電灯を照らしながら海に向かった。砂浜に産卵に上がってきたカメの足跡を見ながら、産卵したカメと産卵せずに戻っていたカメの足跡の違いを教えてくれる。ウミガメの姿はないのに、とても存在感がある足跡。
既に砂浜にいたウミガメ協会の男性と落ち合うと、一緒にカメを探しながら、今朝の産卵置を確認し、流されてしまう危険な場所に産卵した卵の位置にマークをつけていった。端から端まで歩いたけど、結局ウミガメには出会えず、ヘンリーはガッカリしているようだった。でも最後に卵を安全な場所に移植する作業を手伝うことができ、もっと貴重な経験をすることができた気がする。陰にあるこうした地元の人達の努力があることを知ることができのも良かった。
(余談だが、最近永田町のホームページを見てみたら、「ウミガメの産卵見学」が「卵移植作業の参加」に変わっていた。)
7:00 am
宿に戻りシャワーを浴びてさっぱりしてから、朝食をいただいた。かからという葉で包まれた屋久島名物のよもぎ団子がもちもちとして、とっても美味しかった。
今日は「もものけ姫」の森の舞台となったとされる白谷雲水峡へ行く予定だったが、昨晩の大雨で川が増水し閉鎖していたので、代わりにバスで行ける数少ないチョイスの中から海岸に湧くという湯泊温泉を選んだ。
10:30 am
宿を後にバスに揺られて1時間。安房港でバスを降り、今日から2日間お世話になる縄文杉に便利なホステルに荷物を預ける。この辺りは登山者用にキッチンが使える素泊まり宿が多くあるからありがたい。
身軽になると次のバスが来るまで、安房港周辺を歩いた。みんなどこにいるのか、人通りがなく静かだった。
12:30 pm
湯泊温泉の停留所でバスを降り、標識に沿って海岸へ向かうと、岩場の中に温泉らしいものが見えてくる。早速タオルを巻いて湯船につかる。混浴だと思ったら真ん中でちゃんと仕切られていて、ライダーのお兄ちゃんが1人いたが、気にせず遠くに広がる水平線を見ながらゆったり入浴できた。本当はこの近くにある干潮時だけ入浴可能な平内海中温泉に行きたかったのだが、ここで十分満足できた。やっぱり露天風呂、好きだな。
2:30 pm
帰り道、地図でJAを発見したので途中下車したが、ほとんど生鮮食品は残っておらず、凍ったたんかんジュースと醤油だんごをスナックに買って、次のバスに飛び乗った。忙しい時間帯なのかバスが1時間に2本もあった。
3:00 pm
安房港で降り、買い出しのためにスーパーまで歩く。かなり暑いので日陰で休んで、ほどよく溶けたたんかんジュースを食べながら。この暑さの中バスだけに頼る生活は、やはり想像した通り大変だった。
4:30 pm
やっとのことでスーパーに到着。今夜の夕飯にキビナゴとトビウオの刺身にアジの握りと太巻き、そして明日の朝食用のサンドイッチと昼食用のお弁当を買うと、日傘を手に宿まで15分、黙々と歩いた。
宿についてシャワーを浴びると、大したことはしていないのに疲れがどっと出てきた。そしていよいよ明日は縄文杉へハイキングするのかと思うとなんとなく落ち着かず、明日の準備を整えると他にやることもないので、9時にはベッドに入った。
縄文杉へ
7月8日(金)
4:00 am
目覚ましが4時になる。少し緊張してたからか全く問題なく目覚めることができた。
4時36分、予定通り来たバスには他に数名しか乗っていない。公共バスを使用する自分と同じタイプの人間をチラッと鑑賞し(笑)、席に座る。
終点のここ屋久杉自然館までは一般車でも来ることができるが、荒川登山口へは専用バスに乗り換える必要がある(3月1日~11月30日は、一般車両の乗り入れが規制されている)。5時のバスは既に満席で、40分後にある次のバスまで待つことになった。
6:15 am
40分ほどバスにゆられ登山口に到着し、トイレをすますと、いよいよレールの上を歩き始めた。11キロのこのコース、最初の8.5キロは木材を運搬するために使用されていたというトロッコ道を歩くことになる。まっすぐ平坦なこの道はとても歩きやすく、途中花崗岩のトンネルや手すりのない橋などのスリルある箇所を通ったり、道を横切るサルの大集団に出会ったりしながら、楽しく順調に進んで行った。
しばらく行くと「小杉谷集落跡」に到着する。林業が盛んだった頃に存在した集落で、最盛期には約540人が暮らしていたという。岩に腰掛け朝食のサンドイッチを食べながら、当時の生活を想像してみた。跡地というものは、何か惹きつけられるものがある。
トロッコ道は歩きやすいが、景色が変わらず単調なので飽きてくるのが難だった。何時間歩いたのか、突然遠くから人の声が響き渡る。トロッコ道の終点だった。登山者達が最後のトイレ休憩をし、ここから始まる山道への準備を整えている。そっか、いよいよか・・。念のため皆にならってトイレに行き、湧き水を汲み、気を引き締め、山道への階段を登り始めた。
山道はトロッコ道と違い、岩や木の根に覆われた道や、急な階段、前進するのに両手を必要とする箇所などが続くが、休憩しながら前進すれば困難というわけではない(もちろん楽ではないけど)。
かなりの長い間夢中で歩いていたら、なんとなく空気の感触が違っていることに気づいた。周囲を見渡すと、うっすら霧がかかり、以前とは景色が違って樹齢千年は超えてそうな大きくて太い立派な木に囲まれていた。冷んやりした空気はまるで自然が呼吸しているかのように感じられ、どこか神聖な雰囲気さえしていた。
お昼前、とうとう縄文杉に到着した。と言っても、保護のため近くまでは行けず、周囲にある観賞用のデッキから見学するのみだが。神秘的な森を抜けて来たからか、最初に縄文杉を見たときは、そんなに大きな感動はなかった。でもしばらくぼんやりと眺めていたら、何千年という時間の果てしなさを突然体で実感し、その瞬間感動がこみ上げてきた。そんな長い間この森を守り続けてきた神木に会えたと思うと、やはりすごいと思えた。
帰り道は知っているだけに余裕もあったが、単調なトロッコ道がより長く感じられた。でも水遊びをしたり、木に触れたりと、行きとは違った楽しみを見つけながら、頑張って歩いた。
2:30 pm
出発して約8時間、無事トレッキングが終了した。前日から不安気味だったヘンリーの顔には、達成感と解放感の笑顔が広がっていた。
帰りのバスを待っていたら、完全装備のお洒落な若者たちにサンダル(一応アウトドア用)でトレッキングなんてかっこいいですね、と声をかけられ微妙な気分になる(笑)。
帰りのバスはニーズに応じで発車するようで、3時のバスで屋久杉自然館へ。そこからの乗り継ぎも順調で、安房港まで思ったより早く戻ってくることができた。
4:00 pm
今夜は豪華にご馳走と思ったが、家庭料理を食べながら部屋でのんびりしたいという気持ちが勝ち、納豆やもずく、ほうれん草など手軽に準備できる食材を買い込んで帰宅した。
10:00 pm
ベッドに横になりながら、屋久島の魅力について考えてみた。ここからはそのまとめになる。
「屋久島は本当に良いとよく聞くが、今回行ってみてこの良さは誰にでも簡単に伝わるものではないということを感じた。世界遺産である縄文杉を見たという達成感みたいな感動は得られるかもしれないが、正直言って縄文杉を目前にしても、大き過ぎて全体を見渡せないというのもあり、そこまでの偉大さは感じられない。
ではなぜ屋久島なのか?それは、この原生林の森の中で感じられる神秘的な空気に触れらることなのではないかと思う。そしてそれには、水が大きく関係している気がする。「ひと月に35日雨が降る」といわれる水の島、屋久島。森の中で浄化された大量の雨は森全体から湧き出し、ここではそれを肌で感じることができる。何千年も生きてきた偉大な屋久杉が浄化する空気に触れることで、この大自然と長い歴史を初めて理解でき、そして感動が生まれるのだと思う。
世界自然遺産に登録されているは縄文杉ではなく、その周辺の原生林であるのと同様、魅力も縄文杉1本だけなのではなく、その周囲を含めた森全体にあるんだと思う。そしてそれは見るものでなく感じるものなのかもしれない。
というようなことを実感した今、もう一度訪れることがあったら森の中で一晩過ごしたいと思った。1日で縄文杉を往復しようと思うと時間がなく、本来のこの森の魅力と十分もしくは全く触れ合うことなく終わってしまうからだ。」
・・なんてことを考えながら、達成感満々で幸せな眠りについた。ヘンリーもよく頑張ったね。
鹿児島・指宿
7月9日(土)
7:00 am
1日を有意義にすごすために、早朝の高速フェリーで鹿児島に向かう。途中、日本史の教科書で習った以外に馴染みのなかった種子島を経由し、ちょっと嬉しくなった(笑)。
10:00 am
フェリーを降り鹿児島駅に戻ると、荷物をロッカーに預ける。
今日はこれから指宿温泉へ、砂蒸し風呂体験に向かう。ヘンリーが喜ぶかなと思って企画してみた。「指宿のたまて箱」というJRの特別観光列車に乗車すると、地元名産品の車内販売や窓に面した席などあり、旅行気分を盛り上げてくれる。
12:00 pm
指宿駅周辺の街は静かで何もなかったが、駅前には無料の足湯があり、さらにここは浦島太郎の発祥地という伝説もあることを知り、なんとなくテンションが上がる(笑)。
観光案内所で紹介してもらった砂むし会館行きのバスが来るまで、駅前にあるレトロなバスセンターの待合室で涼んでいると、レトロな感じの素敵なおばあさんを見つけて思わずシャッターを切る。洋服からカバンまでのコーデがとても素敵だった。
温泉での写真撮影は禁止されていたが、こんな感じで浴衣を着て砂浜に行き、言われた場所で寝転ぶと上からしゃべるで砂をかけてくれる。砂は意外に重く圧迫感があるが、慣れてくると温かく居心地よい。10分くらいしたら勝手に起き上がって終了とわりと呆気ないが、最後に砂を落としながら温泉でゆっくりできたし、なかなかユニークな経験なので、ヘンリーの良い思い出になってくれてたら嬉しいな。
5:00 pm
今夜はここで一泊とも考えたが、どうしてもしろくまが諦められず、砂むし湯を体験すると、さっさと鹿児島へ戻り、再度むじゃきに向かった。今日はもちろん営業していたが列が長かったので、店頭で立ち食い。それはそれは美味しく、ヘンリーに笑われながらも大満足した。
結局何も見れていない鹿児島の街。天文館から鹿児島駅まで歩いて、お別れした。
6:00 pm
ロッカーから荷物を取り、宿泊地が未定のまま、新幹線で福岡方面に向かう。
7:30 pm
新幹線の中で色々と検索し、今夜は門司港に便利な小倉で泊まることに落ち着いた。しかしながら、うどんの食感がどことも違うと勧められた「大地のうどん」がどうしても忘れられず、博多で途中下車。時間がないので小走りで店まで急ぎ、迷わずごぼ(う)天うどんをオーダーする。器からはみ出るほどの豪快なごぼうの天ぷらはサクサクで、期待のうどんは噂通りこしが無くて美味しかった(笑)。それにしても、うどんが博多の名物だったとは、嬉しい新発見だった。
9:00 pm
店を後に、新幹線で小倉へ向かう。小倉駅周辺は博多駅とはまた違い、もっと下町的な雰囲気があった。明日また新しい街に出会えるのを楽しみにしながら、駅裏のホテルへ向かった。
小倉・門司港
7月10日(日)
10:00 am
ホテルを後に駅のロッカーに荷物を預けると、まずは創業72年のシロヤというパン屋に向かう。
朝食用に練乳入りの「サニーパン」、手のひらサイズのオムレツケーキ「オムレット」、黒ごまペーストたっぷりの「黒ごまフランス」と、シロヤの人気商品を数個購入した。どれも懐かしい味がする昔風のパンだったが、どこか今でも受け入れられそうな味がする。それが人気の秘訣なんだろう。黒ごまフランスがすっかり気に入ってしまい帰り際に買いに行ったら、ほとんどの商品が売り切れていて驚いた。
朝食を済ませると、電車で門司港へ向かった。ずっと憧れだった門司、改めてその理由を考えてみた。明治から昭和初期にかけて日本の三大港として栄えていたという、歴史的なロマンがあるからというのもあるし、単に自分が地理的にこれより先に行けない始まりのような終わりのような街が好きというのもある。ヨーロッパの終わりとアジアの始まりのあるイスタンブールとかもそうだが、こういう場所にはなぜか魅力を感じてしまうのだ。
門司港レトロなんて大したことないとよく聞くし実際にそうなのかもしれないが、反対側に見える本州を見ていたり、線路横に積まれた大量の貨物や、他の街には無い異国の雰囲気を感じていると、やっぱり自分はこういう街好きだなと実感する。
1:00 pm
門司港を後に小倉へ戻ると、今日の最初の目的地、旦過市場へ向かう。細い路地に商店が連なる歴史的なこの市場、楽しみにしてたのに、日曜日の今日はほとんどの店の定休日で本来の姿を見ることができなかった。だからいつか絶対に戻って来ようと決めて後にしたのだが、残念なことにこの1ヶ月後、2度目の大火事が発生し、現在今後の行方が分からない状態になっている。
旦過市場を後に、ここからはいい加減ヘンリーの楽しめるとこにも行かなくてはと検索し、結果TOTOミュージアムを選んだ。
途中モノレールの駅からミュージアムに向けて味気のない4車線道路の横を歩いていると、道の反対側に「黄金市場」と書かれたパンダの可愛いサインが見えてくる。行ってみるとそこはまるで旦過市場のような商店が並んだ細い路地だった。
もちろんほとんどの店はやっていなかったが、代わりにこのスペースの一部を使って蚤の市が開催されていた。いろんな物を持ち込んで、通りで好き勝手に売っている感じである。こんな光景を見るのは本当に久しぶりで、懐かしくなった。
長い寄り道をしたが(ごめんね、ヘンリー)、やっとミュージアムに到着する。館内は広くて快適で、特に暑い夏にはありがたかった。TOTO設立までの歴史から本社をここに構え続ける理由など、面白い事実がわかって適度な社会勉強になったし、ヘンリーはトイレのミュージアムというコンセプトに満足していたようで、まずまずの成功に終わった。
ミュージアムの前からバスで駅に戻り、駅前の商店街を歩いた。喫茶店や食堂、映画館など、旦過市場だけでなく街全体に昭和な雰囲気が残っていた。日本初のアーケード商店街といわれる魚町銀天街も、まだまだ活気が残っていた。
深い歴史のあるこの地域、実は焼うどん発祥地の1つでもあるらしい。その文化を盛り上げていこうと頑張っている焼うどん専門店きつねで、平打ち麺の焼うどんを食べたが、店の宣伝通りもちもちそしてパリパリして美味しかった。次いでに北九州名物のサバのぬかだきも(味付けしてぬか床で炊いたサバ)食べることができた。
なんの期待もなしに立ち寄った北九州の小倉。1日しかいないのに面白い発見がたくさんあった。まだまだ探せば色々ありそうだし、近いうちにまた戻って来たいと思いながら、新大阪行きの新幹線に乗車した。
9:00 pm
愛知県の実家に無事戻り、屋久島・九州の旅が無事終わった。
久しぶりに畳の上でゴロンとなりながら旅の余韻に浸ると同時に、頭の中ではカリカリと明日からの旅の詳細を考えていた。明日は東京を経由して秋田方面に向かう長い旅が待っている。
ということで、旅行記IIIにつづく・・・
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