雑誌「Ginger」ウェブ連載記事を更新しました。
長い歴史を持つ新しい国
3000年にもわたる歴史をもつエルサレムが存在する一方で、イスラエルが建国されてからは、首都テルアビブを中心に、急激に近代化している国です。
紀元前にこの地を失い、世界中に離散したユダヤ人が、パレスチナ人が住んでいる「故郷」に再集合してできあったというユニークな背景を持つこの国は、その料理も同様にユニークです。
特にモロッコなどの北アフリカ、ポーランドやロシアなどの東欧、そしてイエメンから移動したユダヤ人が多く、新しいイスラエル料理に大きく影響しています。
古代からこの地に根付いている料理と、それぞれのユダヤ人がそれまで住んでいた国から持ち込んだ料理、そしてそこから生まれた新しい料理が存在しています。現在もすごいスピードで進化中ですが、今現在の代表的な料理をご紹介したいと思います。料理が複雑で面白い分、民族的・宗教的にも複雑で紛争が絶えない地でもありますが、料理と同様、お互いに尊重し合える日が来ると良いなという思いを込めて…。
世界中から持ち寄られた、イスラエルの代表的な料理
ハムスボウル
ヒヨコマメとねりごまをペースト状にした東地中海のアラブ料理に起源を持つハムス。ここにグリルした肉や揚げなすなど、具をたっぷり乗せるのがイスラエル風。ピタパンと一緒に食べます。
シャクシュカ
チュニジアやイエメンに起源を持つと言われるこの料理は、日本でも最近おなじみになってきました。玉ねぎとニンニクがたっぷり入ったトマトソースに半熟卵を落とした料理です。
サビーフ
揚げナスとゆで卵に、サラダや練りごまソースなど数種類のソースが入ったピタパンのサンドイッチで、イラクに起源を持ちます。ヘルシーでフレッシュ感たっぷりで、個人的に一押しの料理です。
シャワルマ
中東全域どころか今や世界中で人気のある料理ですが、イスラエルのシャワルマは、薄いパンにグリル肉を乗せ、サビーフと同様に新鮮な野菜やソースがたっぷり入っているところが特徴です。
ファラフェル
東地中海を中心に中東でとても人気のヒヨコマメのコロッケ。サンドイッチの具にしたり、いろんなソースや野菜とともにメイン料理として食べることもあります。
イスラエル風のパン
バブカやクロワッサンなど東欧のユダヤ人がもたらしたリッチなパンに、ピスタチオやデーツ、ごまなど中東のエキゾチックな食材がブレンドされた、新しい感覚のパンです。
いかがでしたか? 現在のイスラエル料理は、中東や地中海料理に、世界の新しい要素を加えて、食べやすくモダンにアレンジされた料理というところでしょうか。食べやすいのにエキゾチックという理由から、世界に急速に広まっており、注目される料理です。みなさんも機会があればぜひ一度試してみてください。
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