雑誌Gingerウェブ連載記事を更新しました。
スローフードやスローライフの国として知られるポルトガル。人々がおっとりと優しく、のんびりした時間が流れるこの国は、素材を生かした素朴な料理が健在で、今日本でも話題になっています。
今回は日本とも歴史的な繋(つな)がりが深い、ユーラシア大陸の最西端の国ポルトガルより、食にまつわるレポートをお届けします。
素材を生かした素朴な料理
食のリアルなスタイルを知るには、住宅地を散策するのが一番。住宅地にふらりと足を踏み入れると、早速地元の人たちで賑わうレストランに出合うことができます。
さすが素材が豊富なポルトガル。日替わりメニューが多く、レストランの外には手書きのメニューが貼られています。訳して見ると、魚や肉の種類が変わるだけで、基本はグリルしたものがほとんど。昔から変わらない、素材の味を生かしたシンプルな調理法だからか、口にするとどこか懐かしい味がしてきます。米料理やシーフード料理も多く、日本人の口に合うというのも理解できます。
甘いものが大好きなポルトガル人
甘いスイーツが並んだベーカリーやカフェを街中の至るところで目にできるのもポルトガルの特徴。一般的に卵黄をベースにしたカスタード系のデザートが多く、日本でもおなじみのエッグタルトは「パステル・デ・ナタ」と呼ばれ、実はポルトガルが発祥の地。
見た目に反して、どれも甘さが控えめでさっぱりしているので、食べた後もお腹にどっしりくることがなく、1日数個食べれてしまうほど。こんなに美味しかったら、甘いもの好きになってしまうのも納得です。
街中に溢れるカフェとコーヒー
甘いものと同時に至るところで楽しめるのが、濃〜いエスプレッソ。¥100ほどで、気軽に美味しいコーヒーが飲めるのは、コーヒー好きにとっては嬉しいニュース。
駅のスタンドでだって、美味しいコーヒーが飲めるんです。地元の人に習って、少し砂糖を入れてみると、ほどよい甘さが加わり、また違った美味しさが生まれますよ。
豊富なシーフード
肉や肉加工品も多いけど、長い海岸線を持つポルトガルは、やっぱりシーフードが豊富です。街の市場を訪れると、新鮮な魚がたくさん並び、シーフードレストランも併設されています。なるほど、日本人の口に合うわけだと思う料理が多数。イチ押しは、シーフードのリゾット風ご飯です。
洗練され過ぎていないポルトガルワイン
無名な地ブドウを使ったブレンドが多いからか、知名度があまり高くないポルトガルワイン。個人的には、洗練されすぎていないから逆に面白くて、もちろん値段も手頃なせいもあるけれど、かなり前から飲んでいました。
せっかくなので、ポルトから電車に揺られ、ドウロ川上流にあるワインの産地ピニャンへ。川岸の斜面一面に広がるワイナリーは、どれも家族経営の小規模のものばかりで、その小ささに少し驚きました。至るところでワインが生産されているポルトガルでは、どこでも水のような値段で美味しいワインが飲めます。ワイン好きにとってはかなり魅力的なポイントではないでしょうか。
旅の大きな目的のひとつが「食」にあるという人には、ぜひ訪れてみて欲しいポルトガル。ヨーロッパ旅を検討する際には、ぜひ候補に加えてみてはいかがでしょうか。
文/ブライデン陽子
Leave a Reply